今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選ぶ。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視して採点。なお、この企画の番外編として「チーム賞」をF1速報Facebookにて選出している。
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☆ ジョリオン・パーマー
昨年13回のFP1経験があるが、ここメルボルンは初めて。デビュー戦の初日から焦らず、じっくり進めたアプローチは父ジョナサンのアドバイスだろう。終盤トロロッソ勢と入賞争い、久々の実戦ながら粘走11位。それにしても、またひとりF1界のPTA(?)父親参観が増えた。
☆☆ カルロス・サインツJr.
3つ違いの彼はマックス・フェルスタッペンより、ずっと大人。この年代で3歳の齢の差は大きい。カッカする相手をいなす態度、ぶつけられてもレーシングアクシデントと我慢。WRC王者の父の教育方針か。マックスの父は、かつて「ヨス・ザ・ボス」と呼ばれた熱い人。2年目のふたりには、これからコース上でDNAの違いがはっきりと出そう。
☆☆ フェリペ・マッサ
初め良ければ、マッサ良し。ベテランは今年も開幕予選でボッタスに先行、あまりテレビでの露出はなかったけれど、気がつけば5位に。それよりウイリアムズ・チームの進化はピットストップの改善だ。1位ボッタス2.35秒、3位マッサ2.72秒で「DHLピットストップ最速賞」1-3獲得(!)。
☆☆☆ ジェンソン・バトン
テスト段階ではMP4-31のオーバーステア傾向を気にしていたバトン。全セッションともアロンソと僅差タイム、彼なりに本番でセット対策できた。ソフトタイヤを選択、レース戦略を分けたのは悪くなかった。だが、アロンソ重大事故による赤旗が分岐点に。変えたばかりのソフトをスーパーソフトにチェンジした後半、その性能劣化が予測より進み、ミディアムヘ。一時は8位入賞圏内にいたものの周回遅れ14位ダウン、とはいえレース自己ベストタイム8位は最高位タイ(昨年から)。ここにマクラーレン・ホンダの進化を見出だす。
☆☆☆ キミ・ライコネン
いいスタートを切れたとき、ぐんぐん行くぞとライコネン。あざやかな1-2、フェラーリが開幕戦に決めるなんてミハエル・シューマッハー時代以来。2秒から2.5秒前後の間隔を保ち、2番手を周回する注意深さは、さすが。クリーンエアでタイヤをケアするためだ。ベッテルより3周長く引っ張り、チームプレーを遂行。いったん3位にまわるが、再びスーパーソフトでニコ・ロズベルグを追いまわし、ルイス・ハミルトンを抑え込むはずが、赤旗。再開後すぐにパワーユニットのトラブル(ターボユニット)で出火リタイア。2年連続の不運に、またヤケ酒?
☆☆☆ ルイス・ハミルトン
最多5回ポールポジションは、このコースを得意とする証明だ。ストップ&ゴーの1コーナー、3コーナー、9コーナーが抜群。全開で行くのが難しい5コーナーも攻めきりFP1からQ3まで完全最速。でも、スタートで大ホイールスピン。6番手から2位までの挽回戦で光ったのはミディアム最長41周走破のタイヤ・マネージメント。ロズベルグのほうは終盤変調をきたしていただけに、際立つ。