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引き抜き工作が注目を集めるアストンマーティンのストロール。ウィートリー獲得のために強硬策を取ったか

2026年3月25日

 ジョナサン・ウィートリーのアウディF1チームからの離脱は突然の出来事だった。イタリアメディアにより報道がなされ、それからわずか24時間後に、アウディが正式な発表を行うという展開だった。


 こうした事態は偶然では起こらない。アウディは、ウィートリーがチーム代表の職を離れてイギリスに戻り、かつてのレッドブル時代の同僚であるエイドリアン・ニューウェイのもとでアストンマーティンに合流したいと考えていることを、ある程度把握していた。ただ、ウィートリーはアウディと長期契約を結んでおり、しかもまだ1年も経っていなかった。そのため、アウディは彼を簡単に手放す気はなく、アストンマーティンのオーナー、ローレンス・ストロールの計画は阻まれていた。

ジョナサン・ウィートリー(アウディF1チーム代表)
2026年F1バーレーンテスト ジョナサン・ウィートリー(アウディF1チーム代表)

■ストロールのリークが事態を動かしたとの説

 そのため、事態を進展させるため、ストロールの周辺にいる人物が、親しい記者にこの話をリークしたといわれている。その結果、アウディは、ストロールの望みどおりの反応をしなければならなかった。すなわち、ウィートリーは即時にその職から外され、日本GPの週末を前に、ヒンウィルのファクトリーのオフィスを引き払った。現在は、できるだけ早くアストンマーティンに加入するため、契約解除の条件について交渉を行っている段階である。


 この件について声明を発表したのが、アストンマーティンF1チームではなくローレンス・ストロール個人だったことは異例だ。通常であれば、チーム代表の交代に関する報道に対しては、チームが短い声明を出し、これを否定するのが一般的である。だが今回の場合は、アストンマーティンの筆頭株主であるストロールが、個人的に声明を発表したのだ。


 その声明においてストロールは、「エイドリアン・ニューウェイのチーム内での役割に関する現在の憶測を踏まえ、この機会に事実関係を明確にしたい」と述べた。


「ニューウェイは私のパートナーであり、重要な株主でもあることを、改めて強調したい。彼はAMRのマネージング・テクニカル・パートナーであり、彼と私は、会社の成功という共通のビジョンに基づいた真のパートナーシップを築いている」


「我々は他とは異なるやり方を採っており、一般的に見られるような伝統的なチーム代表の役割を現時点で採用していないが、それは意図的なものである。F1史上最も成功したエンジニアであるエイドリアンは、彼が最も力を発揮できる戦略的および技術的リーダーシップに主に注力している。そしてキャンパスおよびトラックサイドの両方における事業のあらゆる側面を遂行するため、高度なスキルを持つシニア・リーダーシップ・チームが彼を支えている」

アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ代表とオーナーのローレンス・ストロール
2026年F1第1戦オーストラリアGP アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ代表とオーナーのローレンス・ストロール

■“引き抜き”への批判を意識か

 声明の最後、ストロールは、「我々のもとには他チームの上級幹部からアストンマーティン・アラムコへの加入を希望する打診が定期的に寄せられているが、我々の方針に従い、噂や憶測についてはコメントしない」という文章で締めくくった。この発言は、ウィートリーの方からアストンマーティンに売り込みをかけたかのような印象を与えるものであり、ウィートリーにとっては好ましくない表現かもしれない。


 しかしこれは、他チームの重要メンバーを大金で引き抜いているとの印象を和らげるためのストロールの戦略の一環でもある。彼は接触した人材に対して破格の高額報酬を提示しているとの評判があり、そのことがアストンマーティンはどのようにしてバジェットキャップ規則を順守しているのかという疑問を招いている。



(GrandPrix.com)


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