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F1カレンダー復帰でローテーションに入ったポルトガル。一方で5年の開催契約を目指していたトルコには逆風に

2025年12月21日

 ポルトガルGPのF1カレンダー復帰は、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリとF1を保有するリバティ・メディアがここ数年従ってきた方針に大きな転換をもたらした。“ポルティマオ”の名前で知られるアルガルベ・インターナショナル・サーキットは2年契約を結び、2027年と2028年にグランプリを開催することになる。


 欧州のプロモーターと締結された最新の契約を見ると、スペインのマドリードは2035年までの10年契約を確保し、ハンガリーは2032年まで契約を延長、モンツァ・サーキットは2031年までイタリアGPの開催を確保した。ヨーロッパ以外では、マイアミは2041年末まで、バーレーンは2036年までとなっており、カナダ、オーストラリアは2035年まで契約を延長している。

2025年F1第6戦マイアミGP
2025年F1第6戦マイアミGP マイアミ・インターナショナル・オートドローム

 ポルトガル政府およびグランプリのプロモーターと結んだ短期契約は、ドメニカリがヨーロッパでのレースのローテーション開催を開始するまでの当面の解決策であるように思われる。ドメニカリはかなり長い時間をかけて、ローテーションの実現に取り組んできた。オランダGPは2026年で最後となり、ポルトガルが2027年に開催を控えているため、バルセロナは脱落せざるを得なくなるが1年後にカレンダーに復帰する。また、スパ・フランコルシャンは1年間の休止期間に入るが、ベルギー側はそれ以降グランプリを1年おきにしか開催できないことをすでに受け入れている。これはバルセロナも受け入れなければならない運命だ。


 ポルトガルがF1カレンダーに復帰することに熱心であったことは、トルコのグランプリプロモーターにとっては悪いニュースだ。同国政府はドメニカリと5年契約を結ぶつもりだったからだ。報道によると、この取引は今年のイタリアGPが開催される頃にはほぼ完了していたが、トルコのプロモーターが突然保留にしたのだという。これにより、ポルトガルがこの短期契約を締結する道が開かれた。トルコはヨーロッパ戦の2番目のローテーションシステムでの地位を確保するために、ほぼゼロから交渉を始めなければならないことになる。


 しかし、イスタンブールのサーキットはトルコの首都のアジア側に位置しており、実際にはヨーロッパではない。またサーキットのオーナーはF1を再開するにあたって、商業権所有者から、カタール、アブダビ、バーレーン、中国などで見られるようなチームのための恒久的なホスピタリティ施設を建設する必要があることを知らされている。なぜなら、これまでの7回のトルコGPとは異なり、F1と各チームはこのレースをフライアウェイとして扱うことを決定したからだ。つまり、トラックやキャンピングカーはトルコGPに乗り入れることはなく、すべてのものが航空貨物と海上貨物でサーキットに持ち込まれることになる。モーターホームがない場合、チームはサーキットからホスピタリティユニットを供給してもらう必要があるため、F1がトルコと新たな契約を結ぶ前に、プロモーターは多少の投資を行う必要がある。

2020年第14戦トルコGP(イスタンブール・パーク)
2020年第14戦トルコGP(イスタンブール・パーク) 決勝レース


(Text : GrandPrix.com / Translation:AKARAG)


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