F速

  • 会員登録
  • ログイン

複数の電子機器問題に対処しながら2位を維持したラッセルの走り。マクラーレンを脅かすか【トップチーム密着:メルセデス編】

2025年4月17日

 マクラーレンのオスカー・ピアストリが2位のジョージ・ラッセル(メルセデス)に15秒以上の差をつけてポール・トゥ・ウインを飾った2025年F1第4戦バーレーンGP。3位には正しいポジションからスタートしていなかったとして、レース中に5秒ペナルティを受けていたランド・ノリスがラッセルから約1秒差で続いた。その結果だけを見れば、マクラーレンの圧勝劇のように思えるレースだが、じつはラッセルは手負いのマシンで掴み取った2位だった。


 このレースでラッセルは、数多くの電気系トラブルに悩まされていた。そのひとつがDRSのトラブルだった。レース中、ラッセルは誤ってDRSを作動させてしまい、レース後に調査を受けたが、作動後にすぐにフラップを閉じてスロットルを戻していたため、処分は科されなかった。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)&ランド・ノリス(マクラーレン)
2025年F1第4戦バーレーンGP ポジションを争うジョージ・ラッセル(メルセデス)とランド・ノリス(マクラーレン)

 DRS以外にもマシンの走行位置を確認するトランスポンダーにも問題が発生していた。レース中、コントロールラインを通過するラッセルを確認することができず、タイミングモニター上でラッセルが最下位へ転落するなど混乱も生じた。


 さらにブレーキ・バイ・ワイヤの問題とその他の電子機器の問題にもラッセル車は直面していた。チームはすぐにはこれらの問題を解決できなかったが、ステアリング上のスイッチを用いてリセットすることで解決する方法を見つけ、無線でラッセルに伝えて、ポジションを失わずに済んだ。


 トト・ウォルフ代表は「原因はまだわからない。マシンの配線に問題があったのかもしれないし、F1のシステム障害が引き金になって、我々のシステムに影響したのかもしれない」と語った上で、次のようにラッセルの冷静な対応を称賛した。


「コーナーごとにブレーキ・バイ・ワイヤが機能したりしなかったりする状況を想像してみてほしい。ジョージが今日披露したスキルは2位以上の価値のある素晴らしいものだった」

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2025年F1第4戦バーレーンGP 2位に入賞したジョージ・ラッセル(メルセデス)

 チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリは、5番手からスタートしながら11位に終わった。しかし、この結果も実力を反映したものではない。アントネッリは2回目のピットストップでソフトタイヤに交換したが、その直後にセーフティカーが導入された。セーフティカーが導入される直前に2回目のピットストップを行ったドライバーはアントネッリを含めて7名いたが、アントネッリだけソフトだった。そのため、ソフトでは最後まで持たないと考えたチームは、セーフティカー導入時にもう一度ピットインさせ、より新しいソフトタイヤに交換した。


 しかし、終わってみれば、ステイアウトさせても問題はなかっただろう。それでも、アントネッリはポジティブなこともあったと無得点に終わったバーレーンGPを悲観していない。


「課題だった予選でのペースが向上したことはポジティブ。ジェッダ(サウジアラビアGP)では、予選でさらに上を目指し、今度こそレースでいい結果を手にしたい」


 マクラーレンの速さは揺るぎないが、バーレーンGPのように特定のサーキットではメルセデスが脅威になるかもしれない。

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2025年F1第4戦バーレーンGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2回目のピットストップでミディアムタイヤからソフトタイヤに交換した


(Text : Masahiro Owari)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
4/19(土) フリー走行3回目 22:30〜23:30
予選 26:00〜
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第5戦サウジアラビアGP 4/20
第6戦マイアミGP 5/4
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/18
第8戦モナコGP 5/25
第9戦スペインGP 6/1
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号