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レッドブル&HRC密着:新たな空力パッケージを投入。即効性には期待せずも「今後の重要な指標になる」とフェルスタッペン

2024年7月20日

 レッドブルはF1第13戦ハンガリーGPに、Bスペックとも言えるほど、大きく変更を加えた空力パッケージを投入してきた。

レッドブル&HRC密着
2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 本来、Bスペックとは、モノコックを変更するような根本的な車体の変更を意味するため、今回のレッドブルの大変更されたマシンは正確にはBスペックではない。ただし、変更された空力はRB20の最大の特徴でもあるヘイローから綺麗につながったキャノンデッキが姿を消しており、これは昨年の前半にサイドポンツーンのコンセプトを変更したフェラーリやメルセデスのときと同じインパクトをパドックにいる者に与えた。

レッドブル&HRC密着
2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のRB20からキャノンデッキが消えていた

レッドブル&HRC密着
2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のRB20

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2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のRB20


 ただし、今回の空力コンセプトの変更が満を持して投入されたものではないことは、変更された空力パッケージを使用しているのがマックス・フェルスタッペンだけということでもわかる。もう1台のセルジオ・ペレスのマシンはイギリスGPまでと同様、キャノンデッキを纏っており、さらにフリー走行1回目ではフロントタイヤの後ろに計測器を搭載しているところを見ると、レッドブルはキャノンデッキ付きの空力も引き続き、学習しているところのようだ。

レッドブル&HRC密着
2024年F1第13戦ハンガリーGP 旧バージョンのRB20で走行するセルジオ・ペレス(レッドブル)


 つまり、今回のレッドブルの新しい空力パッケージは正常進化型のアップグレードではなく、キャノンデッキ付きのRB20がコーナーでバランス変化を引き起こす原因を突き止めるために実戦投入されたコンセプトカー的な意味合いのマシンではないかと考えられる。コストキャップが導入されている現在のF1では、不確実なマシンを2台作る余裕はないからだ。


 フェルスタッペンはこう語る。


「ここ数戦、僕たちのマシンは最速ではなかった。だから、このアップグレードによって、それが突然変わることは期待していない。ただ、このブダペスト仕様が僕たちチームが今後どう進むべきかを決める重要な指標になることは間違いない。もちろん、このアップグレードによってラップタイムが少しでも向上することを期待しているけど、タイムがすべてじゃない。ただ、もしまったくいいタイムが刻めなかったら、後半戦はどうなるかわからない」

レッドブル&HRC密着
2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 迎えたハンガリーGP初日、フェルスタッペンの順位は2番手だった。


「このレースに持ち込んだアップグレードで、いい1日を過ごせたと思う。もちろん、マシンを最適化するためにやるべきことはまだたくさんあるけれど、週末に向けて堅実なスタートを切ることができたと思う。予選に向けて、すべてのディテールに目を向け、クルマに可能な限りベストなセットアップを施せるように努力することが重要だ。とりあえず、全体としてはいい週末のスタートが切れた」(フェルスタッペン)


 レッドブルの空力を長年指揮してきたエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)は、もうRB20の開発に携わることはない。ニューウェイがいないなかで、レッドブルの空力部門がどんな仕事を行うのか。それはレッドブルだけでなく、2024年のF1のチャンピオンシップを占う上で、重要な役割を果たすことになることは間違いない。



(Masahiro Owari)




レース

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