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レッドブル&HRC密着:デプロイ切れはライバルも同じ。スプリント真っ向勝負を腕で制したフェルスタッペンが予選でも大差
2024年6月30日
2024年F1第11戦オーストリアGPで行われた今シーズン3度目のスプリント。今季ここまでスプリントで2勝を挙げているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、この日も魅せた。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは、1周目のコントロールラインをトップで通過。しかし、2周目からは2番手で猛追してきたランド・ノリス(マクラーレン)と数周にわたって、熱いバトルを繰り広げる。
このとき、フェルスタッペンは無線で「クリッピングが起きている」と、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼにマシンに起きている問題を訴えていた。
クリッピングとは、回生エネルギーによるデプロイメント(デプロイ/回収された電気エネルギー量)が切れた状態のこと。
1周が短いレッドブルリンクでは、予選のように1アタックだけならデプロイが切れることはないが、連続周回するレースでは、エネルギーを回収しなければ、そのエネルギーは切れる。
ただし、1周目をフルデプロイして、2周目にまったくデプロイしなければ、簡単にオーバーテイクされてしまうため、レース用のデプロイは予選とは異なり、ラップタイムに大きく影響しないストレートエンドではデプロイが切れるようなモードにしたり、バトルになったときは抜かれないためのモードや追い抜くためのモード、そして前車を追いかけるためのラップタイムベストモードなど、いくつの状況を想定したデプロイをコンピュータの中に入れておく。
“デプロイ切れ”というと、ホンダがマクラーレンと組んでいた2015年から3年間のことを思い出すが、現在のホンダはその時代から大きく進化を遂げ、回生エネルギーに関してはライバルにひけはとっていない。
では、なぜフェルスタッペンはクリッピング(デプロイ切れ)を訴えていたのか。レッドブルでホンダ・レーシング(HRC)のチーフエンジニアとして活躍している湊谷圭祐エンジニアはこう説明する。
「レッドブルリンクは1周が短く、かつブレーキングポイントが少ないため、エネルギーを回生するのが難しいサーキットだというのが理由のひとつです」
しかし、それはマクラーレンが搭載するメルセデスのパワーユニットも同じ。
「ですが、あのときのマクラーレンはDRS(ドラッグ・リダクション・システム/リヤウイングの空気抵抗を減らして最高速を伸ばすもの)を使用することできたので、その分で差を詰めてくることができたと考えられます」
つまり、ストレートの途中でクリッピングに陥っていたのはフェルスタッペンだけでなく、おそらくマクラーレンも同じだった。だからこそ、一度ターン2で抜かれたフェルスタッペンが、今度はノリスのスリップストリームを利用して抜き返すことができたのである。
さらにこのとき、フェルスタッペンはアクセル開度に反応してエネルギーを出力するデプロイとは異なり、ステアリング上にあるオーバーテイクボタンによって、パワーユニットの出力を上げていた。
しかも、オーバーテイクボタンを押しながら、アウトに行くと見せかけながらインを差してノリスを攻略。ブレーキングでタイヤをロックさせながらもコース上にマシンをとどめ、バトルに乗じてノリスを抜いて2番手に上がってきたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)の追随を許さなかった。
その走りは、オーストリア出身の元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガーがスプリントの表彰式でフェルスタッペンに歩み寄り、握手して讃えるほどだった。
さらにフェルスタッペンはスプリント直後、暑いなかのスプリントで走行して感じたことをエンジニアと話し合い、予選に向けてセットアップを変更した。
「それでマシンはさらに良くなったと思う」と言うフェルスタッペンは、予選では1分4秒314をマーク。2番手のノリスに0.414秒の大差をつけ、通算40回目のポールポジションを獲得した。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |