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【F1アブダビGP決勝の要点】熾烈な選手権争い。ルクレールはライバルを先行させる頭脳プレーに出るも3ポイント届かず
2023年11月27日
F1第23戦アブダビGPは、選手権の順位を巡る、激しいバトルが繰り広げられたシーズン最終戦だった。
まずドライバー選手権の4位争い。200ポイントのカルロス・サインツ(フェラーリ)を同点のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、5点差のランド・ノリス(マクラーレン)、12点差のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が追う四つどもえの展開だった。そしてコンストラクターズ選手権では、メルセデスとフェラーリが2位争い、ウイリアムズとアルファタウリが僅差で7位を争っていた。
結果はどうなったか。ドライバーズ選手権4位は、最終的にアロンソが制した。18位に終わったサインツは一気に7位に後退。逆にルクレールは2位表彰台で大量ポイントを獲得して、アロンソと同じ206ポイントまで追い上げた。
もしアロンソがレース終盤56周目に角田裕毅(アルファタウリ)を抜いて7位に上がっていなければ、ルクレールが2ポイント差をつけて4位だった。しかし両者は同点。2位表彰台の回数は同じ3回のため、3位入賞の回数差でルクレールが涙を呑んだ。
コンストラクターズ選手権の戦いは、さらに激烈だった。4ポイント差でメルセデスを追うフェラーリだったが、Q1落ちを喫したサインツは決勝レースでもペースが伸びず、ルクレールは孤立無援の戦いを強いられた。
スタートでホールショットを奪うことこそ叶わなかったが、ルクレールは首位フェルスタッペンにしつこく食い下がり続けた。しかしジョージ・ラッセル(メルセデス)も3番手につけ、このままでは選手権2位奪取は不可能だ。そこに9番手スタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)が猛追してきて、54周目にラッセルを抜いて3番手に。ラッセルがこのまま4位に留まれば、フェラーリが2ポイント差で2位に上がる。
だがペレスは直前のノリスとの接触で5秒ペナルティを受けており、この時点で実質4番手だった。そこでルクレールはあえてペレスに2番手を譲り、ラッセルとの差を5秒以上広げさせることで、『2位ルクレール、3位ペレス、4位ラッセル』を目論む頭脳プレーに出た。
しかし2番手でチェッカーを受けたペレスは、ラッセルに1秒1及ばず4位。いずれにしても後方ではルイス・ハミルトンが9位に入っており、メルセデスは3ポイント差で辛くも選手権2位を確定した。
ウイリアムズとの7点差を追うアルファタウリもまた、角田ひとりが奮闘した。スタート直後にアロンソにかわされるもののすぐに抜き返し、そこからは抜群のタイヤマネージメント能力を見せた。上位勢が12周目以降に次々にピットインするなか、角田は1ストップ作戦を敢行し、18周目にはついに首位に到達する。
そのまま22周目まで引っ張り、10番手でコース復帰すると、後半37周目には3番手まで順位を戻した。しかしフレッシュタイヤで猛追するルクレールやラッセル、ノリスらに次々に抜かれ、48周目にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、54周目にアロンソにもオーバーテイクされて8番手に後退。ダニエル・リカルドも11位に終わったことで、アルファタウリの選手権7位奪取はならなかった。
結果的には2ストップ作戦でいっていれば、アロンソ、ピアストリを凌いで6位入賞も可能だったかもしれない。角田自身、フランツ・トスト代表に選手権7位を贈れなかったことを残念がっていた。
とはいえ戦闘力に勝る上位勢相手に、違う戦略で対抗しようとした姿勢は十分に評価できる。日本人ドライバーが首位を走る姿も見られたのも、この戦略ゆえだった。シーズン終盤に強さを見せたチームは、翌年もその勢いを持続することが多い。来季の角田には、今年以上に期待できるはずだ。
(取材・文 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 324 |
2位 | ランド・ノリス | 293 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 230 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 194 |
5位 | シャルル・ルクレール | 163 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 117 |
7位 | アレクサンダー・アルボン | 70 |
8位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 66 |
9位 | アイザック・ハジャー | 38 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 617 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 280 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 260 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 86 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 62 |
7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 61 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 55 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 44 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

第16戦 | イタリアGP | 9/7 |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9/21 |
第18戦 | シンガポールGP | 10/5 |
第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |

