F速

  • 会員登録
  • ログイン

F1 Topic:審議とペナルティ付与を角田に伝えなかったアルファタウリ。わずか2周で入賞を失うことに

2023年6月6日

 角田裕毅(アルファタウリ)と周冠宇(アルファロメオ)のバトルを巡るレーススチュワードの裁定にはさまざまな意見がある。これは今回のインシデントが、レースにおいて事故はつきものであると同時に、その裁定は完全に白黒がはっきりとしているわけではないなかで行わなければならないという難しさが伴うことをあらためて認識させられた一件だったと言える。


 レーススチュワードの正否はともかく、今回のF1第8戦スペインGPで角田が入賞に値する走りを披露していたことは間違いない。そのことは、フランツ・トスト代表も「ユウキは素晴らしい走りをしていた」と語っていることからもわかる。


 したがって、周とのバトルの後、チームはポイントを獲得するための手段を講じる必要があったと思う。というのも、周とバトルしていたとき角田は9番手を走行し、周にポジションを明け渡したとしても、10位でフィニッシュし、1ポイントは確実に手にいれることができたからだ。


 私が角田のレースエンジニアだったら、バトル後、周が「押し出された」と無線で叫んだのを聞いて、角田に無線でこう告げただろう。


「ただちに周にポジションを譲れ」と。


 周が無線で押し出されたという訴えは、アルファロメオのチームマネージャーを通して、レースコントロールへ伝わることは明白だった。周にポジションを明け渡せば、1ポイント失うが、レースコントロールがこの一件を審議対象にすれば、5秒ペナルティが出る可能性があり、入賞圏外へ落ちるからだ。

周冠宇(アルファロメオ)&角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第8戦スペインGP 周冠宇(アルファロメオ)&角田裕毅(アルファタウリ)


 しかし、チームは角田にその指示を出さなかっただけでなく、審議対象になったことも伝えず、さらに5秒ペナルティが科せられたことも教えなかった。もし、5秒ペナルティを知っていたら、たとえ無理でも角田はもっとプッシュして、後続との差を広げようとしていただろう。角田がペナルティを知らされたのはチェッカーフラッグの後だった。角田に成す術はなかった。


 しかも、チームは周とのバトルは「ユウキのミスだった」(トスト)という見方をしていた。それならば、レーススチュワードの判断を待たずとも、ポジションを譲った方がよかった。そうすれば、レースコントロールが審議対象とすることはなかっただろう。


 しかし、それを行わなかったため、59周目にレースコントロールは審議対象とした。こうなると、もうポジションを譲っても、審議が取り消されることはない。


 57周目から59周目までの2周で、角田の入賞をみすみす放棄した。今回のアルファタウリの対応は、そう言わざるを得ない失態だった。

F1 Topic
2023年F1第8戦スペインGP レース後、入賞圏外に落ちたことを知らされた角田裕毅(アルファタウリ)は落ち込んだ様子を見せた



(Masahiro Owari)


レース

7/4(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
7/5(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
7/6(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※イギリスGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ234
2位ランド・ノリス226
3位マックス・フェルスタッペン165
4位ジョージ・ラッセル147
5位シャルル・ルクレール119
6位ルイス・ハミルトン103
7位アンドレア・キミ・アントネッリ63
8位アレクサンダー・アルボン46
9位ニコ・ヒュルケンベルグ37
10位エステバン・オコン23

チームランキング

※イギリスGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム460
2位スクーデリア・フェラーリHP222
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム210
4位オラクル・レッドブル・レーシング172
5位ウイリアムズ・レーシング59
6位ステークF1チーム・キック・ザウバー41
7位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム36
8位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム36
9位マネーグラム・ハースF1チーム29
10位BWTアルピーヌF1チーム19

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
第14戦ハンガリーGP 8/3
第15戦オランダGP 8/31
第16戦イタリアGP 9/7
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号