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【F1アゼルバイジャンGPスプリントの要点】市街地コースに強いペレス。最大の強みを活かしてレースを完全掌握

2023年4月30日

 市街地コースを得意中の得意とするセルジオ・ペレス(レッドブル)が、その巧さを存分に発揮したレースだった。


 レース序盤、ペレスはポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)の背後にピタリと付き、周回を重ねる。そしてセーフティカー明けの8周目、ホームストレートでDRSを使って難なく抜いて行った。


 このオーバーテイク自体は、レッドブルRB19の優れた最高速、特にDRSを働かせた時のとんでもない空力効率の良さのおかげでもあった。なにしろこの時点でのふたりの最高速は、ルクレールの時速312kmに対してペレスは時速345kmと、33km/hもの速度差があった。ルクレールにしてみれば、なすすべもない速度差だった。


 しかしその後のペレスがルクレールを着実に引き離していったのは、彼の最大の強みであるタイヤマネージメント、特にリヤタイヤに優しい個人技ゆえだった。


 今週末はフリー走行が1回だけとなった初めてのグランプリだった。さらに赤旗中断もあって満足なロングランができないまま、予選やスプリント本番に突入していった。17周のスプリントなら持つだろうと、あえてソフトタイヤを履く賭けに出たランド・ノリス(マクラーレン)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)らは、リヤのオーバーヒートで次々に失速して行く。


 オーソドックスなミディアムタイヤを選択した大部分のドライバーも、フロントのグリップ不足、リヤのオーバーヒートに悩まされ、思うようにペースが上がらなかった。そんななか、ペレスは完全にレースをコントロールして、スプリント初勝利を挙げた。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP スプリントで初勝利を飾ったセルジオ・ペレス(レッドブル)


 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は今回3番手に終わったが、もしジョージ・ラッセル(メルセデス)との接触で車体にダメージを負っていなかったら、ルクレールを難なく抜いて、ペレス追撃体制に入っていたはずだ。ただスプリントレースという性格もあって、ペレスの優位は揺るがなかったと思われる。


 振り返ればペレスのレッドブルでの初勝利は、2021年のここアゼルバイジャンだった。そしてそこからの4勝はモナコ、シンガポール、サウジアラビアと、すべて市街地サーキットでのグランプリだ。それぞれコース特性はまったく違うレースだったが、卓越したタイヤマネージメント、目まぐるしいコンディション変化への適応力が、ペレスを勝者に押し上げた。


 しかも今回のスプリントシュートアウトでは、フェルスタッペンを凌ぐ予選グリッドを獲得した。これまでなかなか勝てずにいた一発の速さでも(去年の予選は5勝17敗)、チームメイトに肩を並べつつある。3連覇を狙うフェルスタッペンにとって、ペレスが最大のライバルとなりつつあることは間違いない。



(取材・文 柴田久仁夫)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
4/19(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

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