最新記事
- グランプリのうわさ話:オースティン、コース...
- JRPA日本レース写真家協会が2024年モータース...
- ルーキーレース延期の理由のひとつはロジステ...
- ルノーの次世代F1パワーユニット救済を求める...
- 2025年用ピレリF1タイヤのテストにメルセデス...
- F1、巨大複合企業グループ『LVMH』と10年のグ...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】マルコの...
- シーズン後の新『F1ルーキーレース』、2024年...
- F1パワートレイン事情:ハミルトンがアゼルバ...
- 「いじめに遭い、本当につらい時期があった」...
- 苦戦するチームに「特効薬はない」アルピーヌ...
- 松田次生のF1目線:ドライバーに求められるセ...
【角田裕毅F1第20戦密着】抜群のタイヤマネージメントで入賞を狙える位置を走行も接触。適切な冷却が不可能でリタイアに
2022年10月31日
F1第20戦メキシコGPのスタートでソフトタイヤを選択した角田裕毅(アルファタウリ)。トップ3チーム以外でソフトをスタートタイヤに選択したドライバーは、角田を含めて14人中4人だけ。リスクを覚悟で、角田は勝負に出た。その勝負とは、ソフトタイヤのグリップ力を活かして、スタート直後にポジションを上げることだった。
角田とアルファタウリはこの日のレースが1ストップになる可能性が高いと感じていた。そうなれば、ピットストップを利用した順位変更は簡単ではない。さらに1ストップになれば、各スティントが長くなるため、タイヤのマネージメントが重要になり、オーバーテイクを仕掛けづらくなるからだ。
もちろん、心配はあった。それはソフトタイヤのデグラデーション(劣化)だ。日曜日のメキシコシティは青空が広がり、スタート時点での気温は30.1度、路面温度は45.4度あった。しかも、今回のメキシコGPは金曜日のフリー走行2回目がピレリの2023年用タイヤのテストセッションとなったため、アルファタウリをはじめ、どのチームにもソフトタイヤでのロングランデータがなかった。角田とチームは2ストップも視野に入れながら、スタートの時を待った。
午後2時、フォーメーションラップがスタート。前列イン側の12番手の周冠宇(アルファロメオ)とアウト側の11番手のダニエル・リカルド(マクラーレン)はミディアムタイヤだった。スタートで周をかわした角田は、ストレート上でリカルドの前に出るが、1コーナーのブレーキングで前にいたランド・ノリス(マクラーレン)に引っ掛かっている間に周に一旦ポジションを奪われる。しかし、3コーナーを立ち上がった2本目のストレートで周に並ぶと、4コーナーでアウトからオーバーテイクし、11番手で1周目のコントロールラインを通過する。
その後、角田はソフトタイヤでミディアム勢と遜色のないペースでレース序盤を11番手で消化していく。
「ソフトタイヤを意外と持たせられた」と言う角田とチームは、20周を過ぎた段階で1ストップ戦略で行くことを決め、29周目にピットインし、ミディアムタイヤに交換する。タイヤを履き替えても「いままで一番いいタイヤマネージメントをしていた」と言う角田は11番手で入賞争いを繰り広げ、レース終盤を迎えた。
45周目、その角田に背後から近づいてきたのが、スタート直後にオーバーテイクしていたリカルドだった。ミディアムタイヤでスタートしたリカルドは44周目までピットストップを引っ張り、ソフトタイヤでレース終盤に巻き返しを図っていた。
50周目のホームストレートで角田のスリップストリームに入ったリカルド。1コーナーは角田が押さえて、ふたりのバトルは2本目のストレートへ。左コーナーの4コーナーでインを守った角田は続くふたつの右コーナーでアウト側となり、イン側にいたリカルドが6コーナーで角田のインに飛び込む。次の瞬間、角田の右リヤタイヤがリカルドの左フロントタイヤに乗り上げ、角田が弾き飛ばされコースアウト。
角田はなんとかスロー走行しながらピットインしたが、レース続行は不可能と判断したチームによって、リタイアとなった。チーム関係者によれば、サスペンションに問題はなかったが、エアロパーツが破損したため、適切なクーリングができない状況となったという。メキシコGPは高地で行われるため、クーリングが厳しく、わずかでもクーリングに問題が出るとパワーユニットにダメージを与える可能性があるため、やむなくリタイアした。
接触したリカルドには10秒のタイムペナルティが科せられたが、リタイアした角田の怒りは収まらない。
「あのときは、まだ彼(リカルド)のフロントウイングが僕のリヤウイングの横にあるぐらいだったのに……。あんなに小さいコーナーで、しかも彼の方がソフトのフレッシュタイヤだったのに、あそこで抜く必要はなかった」
接触がなければ、入賞できたのだろうか。
「わからないですが、十分狙える位置にいたと思います」
その後、リカルドはソフトタイヤのアドバンテージを活かし、次々とオーバーテイクをして7位入賞。あそこで接触がなくとも、いずれ角田はリカルドに抜かれ12番手になっていただろう。しかし、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がリタイアし、かつ角田の前にいたハードタイヤ勢は、路面温度が10℃下がったレース終盤に苦しみ始めていた。ミディアムタイヤを履いた角田にもチャンスがあった。
「だからムカつきますね」
そう言って、珍しく強い口調で相手を非難して、角田は会見場を後にした。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |