最新記事
- グランプリのうわさ話:オースティン、コース...
- JRPA日本レース写真家協会が2024年モータース...
- ルーキーレース延期の理由のひとつはロジステ...
- ルノーの次世代F1パワーユニット救済を求める...
- 2025年用ピレリF1タイヤのテストにメルセデス...
- F1、巨大複合企業グループ『LVMH』と10年のグ...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】マルコの...
- シーズン後の新『F1ルーキーレース』、2024年...
- F1パワートレイン事情:ハミルトンがアゼルバ...
- 「いじめに遭い、本当につらい時期があった」...
- 苦戦するチームに「特効薬はない」アルピーヌ...
- 松田次生のF1目線:ドライバーに求められるセ...
F1技術解説:第8戦(1)フェラーリの速さに貢献した新リヤウイング。馬力優先の結果、トラブル続出のパワーユニット
2022年6月16日
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回では、フェラーリの向上に一役買った新たなローダウンフォース・リヤウイングと、懸念されるパワーユニットの状況について分析する。
────────────────────────────────
アゼルバイジャンGPでのフェラーリは、少なくとも理論上は、優勝する可能性が高かった。
強大なダウンフォースを発生するF1-75は、バクー旧市街の低速コーナーが速く、フロントタイヤの温度も早く上がった(シャルル・ルクレールは第2セクターでセルジオ・ペレスに0.327秒差をつけた)。さらにフェラーリはここで今シーズン初めて、低ダウンフォースのリヤウイングを装着した(マイアミにも持ち込んだが未使用だった)。
そのおかげでF1-75は、ストレートエンドでのタイムロスが通常より少なかった。フェラーリは加速に優れるため、ストレートの立ち上がりではレッドブルより速いが、通常は、終盤にそのアドバンテージを失う。ホンダ製パワーユニットの方が、電気エネルギーを長く使えるためだ(フェラーリ製PUは早く使えるので、排出も早い)。
しかしバクーで、マックス・フェルスタッペンはDRSの助けを借りたにもかかわらず、ルクレールをパスできなかった。今回のF1-75はストレートでも十分に速く、レッドブルを抑え込むことができたわけだ。
だが、これまで毎年優勝者が変わっているバクーでは、レースが予想どおりに進むことはほとんどない。今回も波乱の展開となった。9周目のカルロス・サインツに続き、優勝大本命だったルクレールも21周目にエンジントラブルでリタイアを喫したのだ。
■強いが壊れやすいパワーユニット
昨年より明らかにパワーアップしたフェラーリの066/7は、レッドブル・パワートレインズ(ホンダ)より5馬力、メルセデスより10馬力、ルノーより15馬力優れているといわれる。さらにトルク性能にも優れ、より柔軟なギヤ比に対応できるようだ。
これまでパワー面で遅れをとってきたフェラーリは、信頼性を犠牲にしてでも馬力を求めるアプローチを取った。しかしその結果、スペインではルクレールがターボとMGU-Hを壊してレースを失った。モナコでは、ハースとアルファロメオのMGU-Kに3つのトラブルが出た。バクーでは、ルクレール以外にケビン・マグヌッセン(ハース)もV6フェラーリのターボとMGU-Hがトラブルに見舞われた。
現時点で、フェラーリはバクーでのルクレール車のPUトラブルの原因を公開しておらず、どの部品を交換しなければならないかも明らかにしていない。もしV6エンジン、MGU-K、MGU-Hが関係するトラブルだとすれば、エレメント交換によるペナルティを受けるまで、いずれもあと1基の余裕がある。しかしターボチャージャーの交換が必要であれば、すでにに3基使っているのでペナルティを課されることになる。
そうなるとタイトル獲得の可能性が、さらに危うくなってしまうかもしれない。ルクレールはバルセロナとバクーでトラブル、モナコではチームの戦略的ミスのために勝利を逃し、すでにフェルスタッペンに34ポイント差をつけられている。第3戦オーストラリアGP終了後には、同じポイント数リードしていたが、あっという間に立場が逆転した。今季序盤、レッドブルを襲っていた信頼性の問題が、今は一転してフェラーリを苦しめている。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
関連ニュース
9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |