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F1技術解説:第7戦(1)本来負けるはずがなかったフェラーリ。F1-75が持つ明らかな優位性
2022年6月8日
2022年F1第7戦モナコGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回では、フェラーリF1-75のレッドブルRB18に対する優位性を分析する。
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モナコでのフェラーリは最高のマシンを持ちながら、戦略的に失敗した。少なくとも予選までの、ドライ路面のモナコでは、F1-75は低速コーナーからの脱出の速さという特徴を遺憾なく発揮していた。
この特性はギヤシフトの短さによるものか、あるいは加速性能自体の高さなのか、まだはっきりと説明はついていない。イタリアメディアによれば、フェラーリ製パワーユニット066/7のターボ径は平均より小さく、同じエネルギー量ならレスポンスに優れるということだ(これはフェラーリのERSが、直線や高速コーナーの終わりで追いつくレッドブルより、一般的に早くエネルギー切れを起こす現象を説明するものでもある)。つまり、フェラーリのV6は、最高回転数で最もパワフルというわけではなく、低・中回転域で強力なパワーを提供することができるということだ。
いずれにせよ、バルセロナで導入されたハイダウンフォース仕様のリヤウイング(写真上)を装着したF1-75は、RB18に比べて加速が速く、フロントタイヤの温度上昇も早かった。イモラとマイアミでシャルル・ルクレールがレース中にデグラデーションに苦しんだのも、モナコのレース終盤にセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペンがミディアムを、ルクレールやカルロス・サインツがハードを履いたのも、おそらくその理由からだろう。
この純粋なスピードの優位性は、どのようにして現れたのだろうか。モナコの予選では、サント・デボート(ターン1)からミラボー間のセクター1ではフェラーリが明らかに優位に立ち、レッドブルはフロントタイヤのウォームアップに苦労した(フェルスタッペンとペレスはアタックの準備に1周余計にかかった)。
対照的にミラボーからル・ポルティエにかけては、RB18が最速を記録した。おそらくトラクションが優れているからだろうが、同時にフェラーリの加速力を生かすにはコーナー間の距離が短すぎたのだろう。
いずれにしてもレッドブルは、フェラーリに追いつくほど速くはなかった。モナコでは長いストレートがないことで、ブレーキを冷却する空気が不足する。そのためレッドブルも他のF1マシンと同様、大型のブレーキダクトを装着した(上の画像参照)。
トンネルからシケインまでの両者の差は拮抗していたが、プールからの最終セクターでフェラーリが差を広げた。これはレッドブルのリヤタイヤが、オーバーヒートしたためと思われる。
フェラーリはそれだけの優位に立っていた。にもかかわらず、戦略で敗れてしまったのだった。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 234 |
2位 | ランド・ノリス | 226 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 165 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 147 |
5位 | シャルル・ルクレール | 119 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 103 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 63 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 46 |
9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |
10位 | エステバン・オコン | 23 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 460 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 222 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 210 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 172 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 59 |
6位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 41 |
7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 36 |
8位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 36 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 29 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 19 |

