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F1技術エキスパートによる新車評価(3)懸念に反し、画一化しなかったデザイン。ペースは低下もバトル向上に期待
2022年3月10日
スペイン・バルセロナにおいて2022年初のF1テストが行われ、全10チームが新世代マシンを走らせた。まだまだ実際のパフォーマンスは見えてこないが、formula1.comでの解説でもお馴染みのF1ジャーナリスト、サム・コリンズ氏に各マシンの第一印象、また2022年F1マシン自体の評価を語ってもらった(全3回)。
第1回はトップチームのフェラーリ、メルセデス、レッドブルのマシンについての分析、第2回ではそれ以外の7チームのマシンに目を向けた。今回は、2022年の新世代F1カーが、導入された目的を達成するのかどうかを、ドライバーたちからのフィードバックなどを通して探る。
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■全車が同じルックスになるという懸念は杞憂に終わった
2022年F1技術レギュレーションの詳細が発表された時、モータースポーツ業界では多くの懸念の声が上がった。新しい規則があまりにも厳格な制限をかけるため、すべてのマシンが同じような外観になってしまうと考える人が多数いたのだ。塗装されていなければ、ほとんど見分けがつかないだろうと、彼らは主張した。
しかし、それは間違いだった。バルセロナで行われた2022年F1シーズン最初のプレシーズンテストで登場した10台は、それぞれ全く異なるものであり、ペイントされていなかったとしても、簡単に見分けがつくほど、違いが大きかった。
どのマシンも同じように見えると予想していた人たちだけでなく、そうは考えていなかった人々でさえも、今季マシンの技術的な多様性に驚いた。各チームが自由に開発し、アドバンテージを見出せる領域がかなりあることは明らかだ。つまり、今年の開発スピードは相当速くなりそうである。
レギュレーションが一新された年の最初のテストだったので、チームはまだ限界を試し始めた段階にすぎず、ほとんどのチームが保守的だった。しかしバーレーンではルールで許されるぎりぎりまで攻めたアップデートが導入されるといううわさがある。今シーズンのルールは、単純な寸法制限ではなく、CAD図面に基づく全く新しい方法で書かれており、それによって合法かどうかの取り締まり方も変化する。
■現時点では2021年型より約2秒落ち
当初は、この新世代マシンが美しいものにならないのではないかという懸念もあったが、ニューマシンが出揃った段階で、ルックスについては多くのポジティブな反応が見られた。フロントウイングの位置が高すぎるように見えるという意見もあったものの、ほとんどの人々がすぐにそれにも慣れた。特にフェラーリやアルファタウリについては、レトロフューチャー的でクールだという声が多く聞かれた。
もちろん、レーシングカーにおいて、見た目はコース上のパフォーマンスほど重要ではない。速さの面で新世代F1マシンはどうだったのか。
2020年、2021年のF1マシンは史上最速であり、それと比べると、今年のマシンはかなり遅くなった。今のところ、2秒から2.5秒落ちぐらいか。ただ、バルセロナが再舗装されたこと、一部コーナーの変更、テストが非常に低い気温下で行われたことを考えると、直接比較するのは難しい。最終的には2017年のマシンと同様のペースになると思われるので、そうであればさほど遅いとはいえない。
■重量アップはドライバーたちに不評
実際走ってみてどうだったか、ドライバーたちからの意見はさまざまだった。広報担当者が発表する、入念に管理された公式コメントからでさえ、ドライバーによって新しいマシンに対するフィーリングがまったく異なることは明らかだった。ただ、マシンの重量が大幅に増えたことを懸念しているのは間違いない。
「運転するのはものすごく楽しい。ただ、いままでとは少し違うね」とマックス・フェルスタッペンは言う。
「バランスはいいよ。ただ、重量が増やされていったことで、低速コーナーの俊敏性が少し落ちてしまったのが残念だ」
フェルナンド・アロンソは「去年より何秒か遅くなった。それはドライバーからすれば、決して楽しいことではない」と語った。
「ドライバーは常に速さを追求しているし、軽いマシンの方がうれしいんだ」
シャルル・ルクレールは、マシンが重くなると、低速コーナーのエイペックスでの動きが悪くなり、減速の仕方が難しいと指摘した。
「このマシンは完全に新しいものだから、ドライビングスタイルを変えなければならない。ドライバーにとっては、いろいろなことを試すのは興味深い」とルクレール。
「ブレーキングは今までとは全く違う。車を減速させるのに必要な距離自体はそれほど変わらないけれど、ブレーキングの仕方は全然違ってくる。今、完璧なブレーキング方法を探っているところだ」
■狙いどおりホイール・トゥ・ホイールのバトルが増えるか
2022年の新レギュレーションの最大の目的のひとつは、前を走るマシンへの追走のしやすさを改善し、ダーティエアの影響を軽減することだ。この目的が達成できたのかどうかは、まだ定かではない。しかし、多くのドライバーが高速コーナーでの追走が以前より容易になったと語っており、初期の兆候は良さそうだ。
ルクレールは、このルールが完全に目的を達成しているとは言えないが、明らかに改善は見られたと考えている。
「他のマシンから3秒から1秒くらい後ろなら、以前よりも近づきやすくなっている。1秒から0.5秒くらいまで近づいたときには、去年と似た感覚だ」
「0.5秒、あるいはもっとずっと接近したときは、去年よりずっといいと感じるよ。興味深いし、いい感じだ」
マシン同士がより接近して走ることができるようになれば、ホイール・トゥ・ホイールのバトルが増えるはずだ。しかし、今年のボディワークの変更により、バトルの際の接触が増える可能性がある。主に、今年装着を義務付けられたフロントのオーバーホイール・ウイングレットの影響で、ドライバーたちにとっては昨年よりも視界が悪化しているからだ。
いずれにしても、F1にとって2022年は2021年とはまったく異なる年になることは間違いない。昨年同様、エキサイティングで、昨年よりも予測不可能な展開になりそうだ。
(Sam Collins)
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9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
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予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |