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F1技術解説第18〜20戦(2)レッドブルがメルセデスのウイングは違法と主張する根拠

2021年12月2日

 2021年F1第18戦メキシコGP、第19戦ブラジルGP、第20戦カタールGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。今回は、レッドブル・レーシングがメルセデスのウイングを違法と考える根拠について考察する。


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 レッドブル・レーシングからリヤウイングの違法性を声高に非難されているメルセデスは、ブラジルに続いてカタールでも圧倒的な強さを見せた。その要因は、何だったのだろう。


 ここ数戦、レッドブルはメルセデスの最高速が異常に速すぎると問題視してきた。最初はエンジンが常識はずれにパワフルだと主張し、その後はリヤウイングの合法性に疑いの目を向けた。


 その根拠としているのが、リヤウイング翼端版の内側、メインプレーンとフラップの間に見ることのできるひっかいたような傷だった(黄色矢印参照)。

メルセデスF1 W12のリヤウイング
メルセデスF1 W12のリヤウイング

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、こう語っている。「メキシコとブラジル、特に後者でメルセデスが見せた最高速は、常識では考えられないほどだった。確かにメルセデス製V6エンジンは、フレッシュな状態では非常にパワフルだ」


「しかしインテルラゴスのストレート終盤での時速27kmの違いは、それだけでは説明できない。リヤウイングに見える痕跡は、プレートがたわんでいることを示すのではないか。何が起きているのか、明らかという他ない」

メルセデスF1 W12のリヤウイング
メルセデスF1 W12のリヤウイング


メルセデスF1 W12のリヤウイング
メルセデスF1 W12のリヤウイング

 ホーナー代表の主張によれば、DRS作動区間でのメルセデスのリヤウイングはこのたわみのおかげで、規約で許された85mm以上開き、さらに最高速を伸ばすことができるというのだ。


 理論上は、カーボン製メインプレーンの生成の際、両端より中央部分の方でより密度を低くすれば、前方からの風を受けてたわむようにすることは可能だ。


 ただしFIA技術委員は当然、そのあたりの抜け道は予想しているはずである。そのために高速気流を受けた状態でのウイングのたわみのテストも課している。今年のフランスGPからは、リヤウイングの主要部分の何箇所かにシールを貼って、たわみを確認する追加テストも行ってきた。


 しかしレッドブルのエンジニアたちは、後方を映す車載カメラでは死角になる部分が多く、特にメインプレーンのたわみは確認できないと主張する。
その3に続く



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


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