来季のF1は史上最多23戦を予定。カレンダー拡大は「熱心なファンを追い払う」と元最高権威者エクレストンが批判
2021年10月6日
F1の元最高権威者バーニー・エクレストンは、F1が2022年に史上最多の23戦までカレンダーを拡大する決定を下したことを批判し、この動きは「熱心なファンさえも追い払う」危険があると主張している。
2022年のスケジュールは、世界モータースポーツ評議会(WMSC)の会合の後、10月15日にFIAが承認するものと見られている。しかしながらF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、来シーズンのスケジュールでは23戦が36回の週末に凝縮されていることについて、ある程度考えを表明している。
ドメニカリは、シーズンが3月中旬におそらくはバーレーンで開幕するが、シーズン閉幕は2019年以来そうであったように12月ではなく、11月になる予定であることを明らかにした。早い時期の閉幕については、おそらくはアブダビでの開催となる最終戦が、カタールで開催されるFIFAワールドカップと重複することを回避するために決定されたことだと分かる。
「カレンダーに適切なリズムが生まれるようにするという考えだ」とドメニカリは『Sky Sports』に語った。
「もちろん物流の点でフローが正しく運用されるようにするための考慮事項もある。まだ決まっていないことも多いものの、ひとつお伝えできるとすれば、来年のF1シーズンは3月中旬に始まって、11月中旬に終わるだろう」
11月にシーズンが閉幕することに不満を訴える者はほとんどいないだろう。しかし23ラウンドを36回の週末に詰め込むことは、必然的に過酷なトリプルヘッダーが増えることを示している。
エクレストンがF1の指揮を取っていた最後の10年に彼が監督していたシーズンは、平均して18戦から20戦で構成されていた。エクレストンは、F1はタガが外れており、カレンダーのイベントを抑えるべきだと考えている。
「これこそが、熱心な大ファンをも追い払い、テレビへの興味を破壊する方法だ」と90歳のエクレストンが語ったとスイスの『Blick』が報じた。
「18レースで十分だ。だが今では彼らは不要なストレスとともに多くの家庭を破壊し、人々の健康を踏みにじっているのだ!」
■2022年も3連戦を実施か。ハースF1代表「最善を尽くすことが必要」
トリプルヘッダーを含む圧縮されたスケジュールは、チームが序列のどこに位置するか、また、さらなるレースによって追加収入がどれだけ入るかにかかわらず、ほぼすべてのチーム代表たちに人気がない提案だ。
マクラーレンF1チームのマネージングディレクターであるアンドレアス・ザイドルは、理想的なカレンダーは最大20戦で展開されると自身の考えを示したが、来年にF1がレース数をその数に戻すことはないことは認識している。
「我々は彼(ドメニカリ)を深く信頼している。彼は、我々がチームとして間違いなく享受している商業的利益だけでなく、彼のスタッフ、我々のスタッフ、メディアの人々といったこのサーカスを構成する人々をケアするという観点についても、適切なバランスを見つけるだろう」
「最も重要なのは、我々がF1、特にステファノと良好な対話を行っていることだ。そして今の我々はカレンダーが発表され、来年の計画がどうなるか待つ必要があると思う」
ハースF1のチーム代表であるギュンター・シュタイナーは、トリプルヘッダーに断固として反対してはいるが、好むと好まざるとにかかわらず、チームはF1が決めるカードに対処する必要があることを認めた。
「結局、いやが応でもそれが我々の仕事の一部なのだ。我々が常に決めることはできない」とシュタイナーは語り、予測のつかないカレンダーについてほのめかした。
「エンターテインメント業界やコンサートで働く人たちと比べてみれば、彼らは継続的にトリプルヘッダーをやっているようなものだ。彼らは6カ月のツアーが始まったら決して家に帰れない」
「そのことは分かっているので、終わった話として前に進んでいくのだ。だが来年何回のトリプルヘッダーがあるかは分からない。おそらく何度かはあるだろうが、できる限り最善を尽くす必要がある。なぜならそれが現在の我々のビジネスの一部だからだ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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