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F1技術解説シュタイアーマルクGP:メルセデスを引き離しつつあるレッドブルの改良版鋸歯ディフューザー
2021年7月15日
2021年F1第7戦フランスGP、第8戦シュタイアーマルクGP、第9戦オーストリアGPの3連戦で各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点について解説する。今回は、シュタイアーマルクにレッドブルが持ち込んだ新ディフューザーを取り上げる。
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第8戦シュタイアーマルクGP開催直前の木曜日、レッドブルのトランスポーターがサーキットに到着した。翌日のフリー走行に向けて、すでに準備作業は終わっているはず。トランスポーターの積荷は、新型ディフューザーだった。レッドブルは英国ミルトンキーンズのファクトリーで完成したばかりの重要な空力パーツを、何としてもこの週末に間に合わせたかったのだ。
新仕様のディフューザーは、第5戦モナコGPに登場した鋸歯状ディフューザーのさらなる改良型だ。モナコ版では3枚あるディフューザーの2枚目と3枚目、その外周部分のガーニーの両端だけに鋸歯が付いていた。それがシュタイヤーマルクでは、中央のクラッシャブルゾーンを除いてぐるりと鋸の歯で覆われている。
この細かい歯ひとつひとつの周囲に微細な渦流が起き、フロア下から流れてきた気流が剥離するのを防ぐ。その結果、ダウンフォースがさらに増大する効果が期待される。
シュタイアーマルクGPまでの今季8戦で、レッドブル2台のポールポジションからのタイム下落率は、+0.134%だった。しかしアゼルバイジャンからの3戦に限れば、+0.114%まで改善している。一方のメルセデスは逆に、+0.202%から+0.273%に増えている。その差はコンマ1秒にも満たないものだが、接戦を繰り広げている今季の状況では大きな差といえる。
■フェラーリが新型フロアをテスト
初日2回目のフリー走行で、フェラーリは新しいフロアをテストした。サイドポンツーン中央付近に3枚、リヤタイヤのすぐ前に6枚のデフレクターを備えた仕様だ(黄色矢印参照)。ちなみにポルトガルでは、デフレクター7枚仕様も試されている。
今回のテストバージョンはシャルル・ルクレール車だけに搭載され、翌日以降の予選とレースではイモラから投入されたデフレクター4枚の通常仕様に戻された。
フェラーリはすでに、資源の95%は来季型マシンの開発に回しているとのことだ。とはいえデータ収集とパフォーマンス向上を見据えたマイナーアップデートは、今後も続けると言明している。
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 99 |
2位 | ランド・ノリス | 89 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 87 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 73 |
5位 | シャルル・ルクレール | 47 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 38 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 31 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 20 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 188 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 111 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 89 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 78 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 25 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

