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レッドブル・ホンダ密着:終盤にコンディションが改善し、2ストップを決断。速いマシンだからこそ可能だった逆転劇

2021年6月21日

 どんなに優秀なシナリオライターが書いたレースよりも、マックス・フェルスタッペンとレッドブル・ホンダが演じたレースに、この日ポール・リカール・サーキットに詰めかけた1万5000人のファンは興奮し、感動したに違いない。


 53周で争われた今年のフランスGPはスタート直後から、レッドブル・ホンダとメルセデスによる激しい戦いが繰り広げられた。


 スタート直後の1コーナーで、ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンがブレーキングで曲がりきれずにコースオフ。トップの座をルイス・ハミルトン(メルセデス)に明け渡してしまう。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第7戦フランスGP コースオフしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


「僕は1コーナーのブレーキングで失敗してリヤを失って、コースをはみ出てしまい、ルイスにポジションを奪われた。もちろん、あの瞬間は焦ったけど、まだレースは長いとわかっていたので、すぐに目の前の戦いに集中したよ」(フェルスタッペン)


 しかし、第1スティントでは「ルイスと戦うペースがなかった」(フェルスタッペン)と言うレッドブル・ホンダ陣営は、17周目に3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)がピットインしてアンダーカットしようとしていたのに対応し、18周目にフェルスタッペンをピットに呼んだ。


 ミディアムからハードにタイヤを交換したフェルスタッペンは、このアウトラップを1分39秒966で走った。この「猛烈なアウトラップ」(クリスチャン・ホーナー代表)によって、フェルスタッペンは翌周ピットインしたハミルトンからトップのポジションを取り返すことに成功した。19周目にピットインしたハミルトンのアウトラップが1分41秒873だったから、いかにフェルスタッペンのアウトラップが速かったかがわかる。


 動いたのは、レース中盤の32周目。1回目のピットストップでアンダーカットを成功させてトップに立っていたフェルスタッペンが2回目のピットインを行ったのである。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第7戦フランスGP 2回目のピットストップを行ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


「レース終盤に風が弱くなって、路面にもラバーも乗り始め、僕たちのクルマに適したコンディションになったんだ。それで2ストップ戦略を決断し、とてもうまくいったと思う」(フェルスタッペン)


 それだけが理由ではない。ホーナーは「今年の第4戦スペインGPのときと同じ状態に陥りたくはなかった。我々は自らトリガーを引き、2ストップを敢行した」と説明した。


 ホーナーが言うスペインGPとは、スタート直後にトップに立ったフェルスタッペンがレースのほとんどでトップを走行しながら、1ストップから2ストップに変更して、新しいタイヤで猛追してきたハミルトンに終盤逆転されたあのレースだ。


 ピットストップを増やして逆転するという作戦を立てられるのは、速いマシンを持っているチームでなければできない芸当だ。そして、そのパフォーマンスをレッドブル・ホンダはスペインGPから1カ月後のフランスGPで見事に演じた。つまり、この逆転劇は1カ月前のメルセデスとの力関係も逆転した結果の表れと考えていいだろう。


 これでレッドブル・ホンダは第5戦モナコGPから3連勝を飾った。これはホンダにとっては1991年以来、30年ぶり。レッドブルにとっては2013年以来8年ぶりのことだった。


 フランスGPで力関係を逆転させてみせたレッドブル・ホンダにとって、今回の3連勝は2014年以来続いてきたメルセデス帝国へ引導を渡す一戦となったのではないか。

2021年F1第7戦フランスGP マックス・フェルスタッペン優勝とセルジオ・ペレス3位を祝うレッドブル・ホンダ

セルジオ・ペレス&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第7戦フランスGP セルジオ・ペレス&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
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9位エステバン・オコン14
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6位ウイリアムズ・レーシング19
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