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「難しい状況でも路面変化にしっかり対応していて驚いた」角田裕毅のドライブに好印象/ホンダ本橋CEインタビュー(後編)
2020年12月28日
2020年F1最終戦アブダビGPを終えたタイミングで、角田裕毅のアルファタウリ・ホンダからのF1デビューが発表された。11月のイモラテストで初めて角田と仕事をした本橋正充チーフエンジニアは、「終始リラックスしていた」、「難しい路面コンディションにもしっかり対応して、安心してサポートできた」と、好印象を語っていた。
エンジニアにとっては角田という新しいドライバーが、「新たな発見、新たな運転領域を与えてくれる」場でもあったとのことだ。
新型コロナウイルスに翻弄され続けた2020年シーズン。本橋エンジニアも通常の戦い以外の「多くのストレスを感じながらの1年だった」と振り返る。年明けから本格化する新たな開発に向け、今頃は半年ぶりに再会した家族との束の間の休暇を楽しまれていることだろう。
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──2021年、角田裕毅選手のアルファタウリからのデビューが決まりました。彼が初めてF1マシンを走らせたイモラテストは、本橋さん自身すごく楽しみにしていたと聞きました。
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):日本人ドライバーが、F1マシンに乗ってくれる。まずはその事実が、僕としてもホンダとしても嬉しかったし、楽しみでしたね。それと新しいドライバーが乗るのって、僕らにもすごく勉強になるんです。ペダル操作や、乗り方の違いで。そういう技術的な部分でも楽しみでしたね。新しいドライバーが来るのはいつでも楽しみですし、それが日本人だったらさらにいい。そんな感じでした。
──ドライバーによって、パワーユニット(PU)の使い方もまったく違うということなのですね。
本橋CE:はい。2021年、車体が変わったことでエンジンがどういう回り方をするのか。それも今から楽しみです。
──いろいろなドライバーの運転の仕方が、パワーユニットの今後の開発へのフィードバックになるのですね。
本橋CE:そういうことですね。以前も言いましたけど、2チーム供給になったことで、それまでふたりのドライバーからだったフィードバックが、4人分になった。そのことで、我々が気づかされたことも少なくなかったです。
2019年は途中でドライバーの交代もあったりして、同じクルマに違うドライバーが乗ったことも、非常にいい刺激になりました。ドライバビリティを含めた最適化は、レース週末ごとにいつも学んでいますね。
──デプロイにも、非常に参考になる?
本橋CE:そこはまさに各ドライバーのスロットルの踏み方で、変わっていく部分ですからね。記憶に新しいところでは、ムジェロ(第9戦トスカーナGP)のレースでは最後にデプロイが切れたりしました。(レース中の)路面変化に対応して、ドライバーが乗り方を変えたりする。その意味でも、ドライバーの乗り方が一番大きいと言えますね。
──イモラでの角田選手は初テストだったにもかかわらず、非常にリラックスしていたと聞きました。
本橋CE:確かに。そこはちょっとびっくりしました。F2であれだけの成績を残している自信もあったのか、終始リラックスしていました。F2に比べるとかなり速いクルマなので、周回を重ねていくと疲れは感じていたようですけどね。
──無理のないペースだったということもあるのでしょうが、ミスもなかった。
本橋CE:はい。夜のうちに雨が降って、だんだんウエットからドライになる難しいコンディションで1、2回コースオフもしていましたが、路面変化にもしっかり対応していた。安心してサポートできました。そこも驚いた点です。
──ミルトンキーンズにいったん戻って、そこから日本に帰国ですか。
本橋CE:はい。イギリスで最後の締めというか、2021年に繋げるまとめを済ませて、それから日本に帰ります。来季の準備もあるし、あまりゆっくりはできませんけど。年末年始、ちょろっと休ませてもらって、年明けからフルスロットルです。
──早くコロナが収束して、以前のようにレースができるといいですね。
本橋CE:本当にそう思います。我々もずっと、ストレスを感じながらの1年でした。もちろんリモートでも意思の疎通はできるのですが、十分ではない。ガレージ内での動きの制約は大きいし、クルマを任されている、それをしっかり走らせるという責任感に加えて、感染できない、他の人に移しちゃいけないというストレスをいつも感じてました。
──サーキット外での行動制限も、大きかったですよね。
本橋CE:行った先で、美味しいもの食べたいじゃないですか(笑)。それもままならなかったですしね。シーズン中にF1全体で何人か感染者が出ましたけど、予定された17戦はなんとか無事に終わった。それはみんなが気をつけたおかげだと思います。本当に、早くコロナがなくなって、行った先で美味しいものを食べたいです。
──最終戦のアブダビが、一番移動の自由がなかったみたいですね。
本橋CE:厳しかったですね。ただ言い換えれば、このなかにいる分には安心して働けた感じです。現地の人もしっかりサポートしてくれてましたし。確かに閉じ込められた感はありましたけど、そんなに不便は感じなかったですね。
──ご家族は日本ですよね。
本橋CE:再会が、超楽しみです。
──半年ぶりですもんね。他のスタッフも、同じように長期出張の方がいるのですか?
本橋CE:はい。単身で来ているメンバーが何人もいます。コロナ以降、出張自体最低限にしていますから、途中のメンバー交代もほとんどなかった。プライベートでストレスを抱えた部分も、大きかったです。家族で来ているメンバーにしても、レース週末に留守にしてる間はイギリスに置かれていて、いろいろ心配だったと思います。
──また直接お目にかかる日を、楽しみにしてます。
本橋CE:ありがとうございます。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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