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【F1第16戦無線レビュー(3)】防戦一方ボッタスに追いついたサインツJr.「このメルセデスはなぜこんなに遅いんだ」
2020年12月10日
F1第16戦サクヒールGPの決勝レース62周目、メルセデスはダブルピットストップを行ったが、その際無線システムの不調によりジョージ・ラッセルとバルテリ・ボッタスのタイヤをつけ間違えてしまうというミスを犯した。そこから再び上位を目指して戦うふたりだが、ラッセルにはさらなる不運が。レース後半のメルセデスの様子を、無線とともに振り返る。
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62周目に入ったセーフティーカーのタイミングを利用して、ポジションを失うことなく、タイヤを済ませようとしたメルセデスの作戦は、無線システムの不調から大混乱。そして、ラッセルがピットアウトした直後に、誤ったタイヤを装着させていたことに気が付く。
メルセデス:異なるタイヤが混じっていたから、もう一度ピットインだ
そのことは、ボッタスにも知らされる。
メルセデス:いまジョージが再びピットに入った。誤ったタイヤを装着させてしまったようだ。我々はポジションをいくつか失っている。
正しいミディアムに交換してピットアウトしたラッセルは、5番手に後退してしまう。
ラッセル:バルテリはもう前に出た?
メルセデス:そうだ、もう前に出ている。でも、彼は14周走ったハードタイヤだ
ラッセル:いま2番手だよね?
メルセデス:現時点では5番手だ。でも、前の4台はみんな中古のタイヤだ
ラッセル:あと何周残っているの?
メルセデス:残りの周回数は24周だ。
ラッセル:前に何台いる?
メルセデス:P1がペレスで、あとはオコン、ストロール、バルテリ、そして君だ
ラッセル:彼らのタイヤはどれくらい古い?
メルセデス:ペレスが17周のハード、オコンは23周のハード、ストロールは22周のミディアム、そしてバルテリは15周のミディアム……間違えた、バルテリは15周のハードだった。だから、タイヤに関しては我々のほうが(中古のボッタスよりも)大きなアドバンテージがある。まだチャンスはある
ラッセル:マジでそう願いたいね
メルセデス:デブリ(破片)がコース上に散らばっている。ターン1から2にかけて、気をつけろ。セーフティーカーがこの周で退去するから、ストラット5を選択するのを忘れないように。それから、DASをリセットしておくように。そして、(ブレーキの)マジックをキャンセルしろ。いま(セーフティカーの警告灯が)消えた
レース再開後、ボッタスのペースが上がらない。70周目にチームメートのラッセルにオーバーテイクされると、防戦一方となる。
カルロス・サインツJr.:このメルセデス(ボッタス)はどうしてこんなに遅いんだよ。カモーン
逆にチームメートのラッセルは逆転優勝を目指してペースアップ。
メルセデス:いま、君がコース上で一番速いぞ
73周目には2番手まで上がっていたラッセルだが、その直後、無常とも思える無線がラッセルに入る。
メルセデス:左リヤがパンクしているようだ
ラッセル:ピットインする? それともステイアウト?
メルセデス:とりあえず、ステイアウトだ。この周は大丈夫だと思う。
ラッセル:聞こえない。BOX?
メルセデス:BOX、BOX、BOX。完全にパンクしている
ラッセル:わかった、ピットインする。でも、パンクしているようには感じないんだけど
メルセデス:BOX、BOX、BOX。完全なパンクだ
ラッセル:ああ゛ーーーっ。なんて言っていいか、わからない
メルセデス:わかっている。我々も君と同じ気持ちだ。いまは残りのレースに集中していこう!!
78周目に3度目のピットストップを行ったラッセルは、これで14番手に大きく後退。これを見たレーシングポイントはトップのペレスにこう指示を出す。
レーシングポイント:タイヤを労って、温度をキープして走っていいぞ
1ストップの予定が4ストップになったラッセル。結果的にピットストップ時に履いたタイヤで走り続けるレースを強いられたボッタスは、大きくペースダウン。
ボッタス:このタイヤは最悪だ
メルセデス:ジョージがソフトタイヤでどんどんオーバーテイクしている。ファイナルラップでバトルになるだろう
こうして、フロントロウからスタートしたメルセデスはボッタスが8位、ラッセルが9位でフィニッシュした。
(Masahiro Owari)
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1位 | ランド・ノリス | 77 |
2位 | オスカー・ピアストリ | 74 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 69 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 63 |
5位 | シャルル・ルクレール | 32 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 30 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 25 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 18 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 151 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 93 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 71 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 57 |
5位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
6位 | ウイリアムズ・レーシング | 19 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 7 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

