最新記事
【F1第16戦無線レビュー(2)】まさかのタイヤ交換ミスにボッタスも混乱「どっちのタイヤが装着されている?」
2020年12月9日
バーレーン・インターナショナル・サーキットの外周コースを使って開催されたF1第16戦サクヒールGP。メルセデスがジョージ・ラッセルとバルテリ・ボッタスによる1-2体制を築いままレース中盤を迎えたが、後半のタイヤ交換ではまさかのミスが発生。当時の状況を無線とともに振り返る。
────────────────────
後方とのギャップを着実に広げているメルセデスは、コース上でのポジションを優先して、ピットストップによるリスクを冒さず、1ストップ作戦に切り替えてきた。
(36周目)
ジョージ・ラッセル:タイヤは大丈夫
38周目、メルセデス勢の約20秒後方では3番手のランス・ストロール(レーシングポイント)に4番手のエステバン・オコン(ルノー)が追いついてきた。
ルノー:そろそろ、ストロールにプレッシャーをかけようか
メルセデスはボッタスに対して、ピットストップが近くなってきたことを伝える。
メルセデス:あと5周
同じタイミングで、ラッセルがピットへ無線を送る。
ラッセル:フロントタイヤが少しタレてきた
メルセデス同様、1ストップ作戦を採り、ピットインせずにソフトタイヤで粘っていたストロールがタイヤの不調を訴え始める。
ストロール:タイヤが少しずつ落ちてきた
42周目にストロールがピットインするが、ミディアムタイヤを履くメルセデス勢はまだ入らない。
メルセデス:もう少し、ピットインのタイミングを遅らせる。ピットアウトで渋滞につかまらないようにしたい
ラッセル:OK
45周目、メルセデスからラッセルへピットインの合図が。
メルセデス:ピットインだから、プッシュしていいよ
しかし、ピットアウト直後にラッセルがパワーユニットの不調を訴える。
ラッセル:ノーパワー
メルセデス:HPPをデフォルト35にして
一方、ボッタスはステイアウトしたまま。
メルセデス:(オーバーカットするには、ラッセルに対して)4秒足りない
59周目、最終コーナーでジャック・エイトケン(ウイリアムズ)がクラッシュ。もぎ取られたフロントウイングがコース上に残され、まずバーチャル・セーフティカー(VSC)が出る。その直後の62周目にセーフティーカーが導入された。このときラップリーダーのラッセルは最終コーナーを通過していたため、メルセデスは緊急ピットインをラッセルに命じる。
メルセデス:セーフティーカー、セーフティーカー
ラッセル:ステイアウトするの?
メルセデス:BOX、BOX、BOX
このときラッセルはセーフティーカーラインの直前にいた。このラインを超えると、もうピットインはできない。そこでもう一度、確認する。
ラッセル:ステイアウトなの?
メルセデス:BOX、BOX、BOX
その約4秒後方にいたボッタスにも無線が飛ぶ。
メルセデス:BOX、BOX、BOX。ジョージとの差は4.2秒だ。いま5秒になった。時間は十分ある。
しかし、メルセデスは無線システムの不調から、ふたりのタイヤが正しく準備されておらず、タイヤ交換で大混乱。ラッセルは間違ったタイヤを履き、ボッタスは一度履いたタイヤを取り外して、それまで使用していたタイヤに戻してコースに復帰させた。ピットアウトしたボッタスは、ピットレーン走行中にエンジニアに確認の無線を入れる。
メルセデス:ブレーキに気をつけろ
ボッタス:このタイヤはなんだ?
メルセデス:ハードタイヤに戻した。いままで履いていたヤツだ。だから、ピットアウトしたらセーフティーカーラインまでプッシュしてくれ
その後、1コーナーを通過した後、ボッタスはもう一度、チームに確認の無線を入れる。
ボッタス:もう一度、言ってくれ。どっちのタイヤが装着されている?
メルセデス:……バルテリ、ハードタイヤが装着されていると思うんだ。いままで使用していたヤツだ
ボッタス:どうして?
メルセデス:その件については後で話し合おう
ボッタス:なんじゃ、そりゃ?!
ラッセルはトップでコースに復帰したが、27.4秒もタイヤ交換に時間を要したボッタスは5番手に後退。しかし、メルセデスの混乱はこれで終わりではなかった。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
4/11(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
4/12(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
4/13(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


1位 | ランド・ノリス | 77 |
2位 | オスカー・ピアストリ | 74 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 69 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 63 |
5位 | シャルル・ルクレール | 32 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 30 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 25 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 18 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 151 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 93 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 71 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 57 |
5位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
6位 | ウイリアムズ・レーシング | 19 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 7 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

