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ホンダF1活動終了の是非を問う。本田宗一郎さんは「きっと泣いている」

2020年10月15日

 10月2日、スーパーGT搬入日の午後、手元の携帯電話が鳴った。


「本日午後5時から八郷(隆弘)社長がオンラインで記者会見を行ないます」


 電話の主はホンダのPRを務める方で、旧知の仲。もちろん知らない間柄ではない。しかし、肝心な会見の内容はいっさい明かさず、ただただ会見が開かれることだけが伝えられた。会見開始時刻は明らかに欧州との時差を意識したもので、その瞬間にピンときた。


 午後5時。画面のなかに現れた八郷社長の口から発せられたのは、予想どおり“聞きたくなかった言葉”だった。


「ホンダは、このたびFIAフォーミュラ・ワン(F1)世界選手権へのパワーユニット(PU)サプライヤーとしての参戦を、2021年シーズンをもって終了することを決定いたしました」


 電話を受けてから覚悟はしていたが、それでもこの会見にショックを受け、同時にいくつもの疑問が頭をもたげた。地球環境に配慮しながら経済活動と社会的責任を両立させることが企業にとっての最重要テーマであることは分かる。八郷社長の口から幾度となく発せられた「カーボンニュートラル」もたしかにそのひとつだ。


 しかし、F1も2030年に向けて、その「カーボンニュートラル」を目指すことを高らかに宣言している。八郷社長は、自動車業界が直面する100年に一度の大転換期を生き抜くためにエンジニアの技術的、人的リソースを再配分することをF1活動終了の理由としたが、そうした技術領域をF1とともに目指すことは本当にできなかったのだろうか?


 そもそもホンダは4度目のF1参戦発表当初から「今回は“第四期”と呼ばない」と宣言していた。“第四期”と表現すると第五、第六……と連想される。それはつまり、第四期が終わることを意味する。しかし、今回は「もうやめない」ことを方針に掲げていた。


 その方針の大切さを理解し、忠実にメディアなどにうったえてきた広報スタッフやエンジニアたちなど、実際に現場で戦う人たちの情熱は無残にも踏みにじられるかたちになってしまった。


 今回の決定にあたり八郷社長は「経営陣で議論をし尽くした」という。その詳細を、外側にいる我々は知る由もない。しかし、話し合いを重ね、さまざまな事情、それぞれの都合に耳を傾けることで、じつは本当に大切なこと──ホンダとして譲れない部分、ほかの企業にはない“ホンダらしさ”を見失ってしまってはいないだろうか。


 かつて本田宗一郎さんの下で働いたことのある森脇基恭さんは言う。


「もし、オヤジ(従業員は本田宗一郎さんのことを、親しみを込めてこう呼んでいた)が生きていたら、ほかのことを削ってでも続けていたと思います。『一度始めたんだから、最後まで戦い抜け! 世界と戦い続けろ!』と言い、むしろ現場を叱咤激励したはずです」


 しかし、現在のホンダは真逆の判断を下してしまった。もしも、この状況を本田宗一郎さんが見たら、いったい何を思うのだろう? この問いに対して、森脇さんは即座に答えてくれた。


「きっとオヤジは泣いていますよ」




(Koji Tanaka / auto sport)


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