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トロロッソ・ホンダSTR14運転マニュアル──山本尚貴が明かす現代F1マシンドライブの複雑さ
2019年11月1日
先日、鈴鹿サーキットで行なわれた2019年の全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦で、惜しくもドライバーズタイトルを逃して涙を流していた山本尚貴。その2週間前には、人生初となるF1マシンのドライブを経験して、感動と興奮の表情を見せていた。
現在発売中の「オートスポーツNo.1518」では、山本がFP1をドライブしたあとに明かした現代F1マシン操作に関するエピソードを掲載している。ここでは、驚愕の第1段階となった“40ページのマニュアル”から始まる話を一部抜粋してお届け。
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初めてのF1ドライブながら、日本GPのFP1で山本尚貴はダニール・クビアトに匹敵するタイムを刻んだ。90分30ラップという短いセッションで、その千載一遇のチャンスを活かすため、山本は周到な準備を重ねて晴れの日に臨んだ。
「まず、40ページくらいの英文マニュアルを読み込みました。1ページにギッシリと文字が詰まっていて、全部見ておかないとF1を操作できないかというとそうではないのですが、ひととおり覚えておかないと何かが起きたときにすぐ対処できない。FP1を走り終わってみれば、すべてが必要なわけではなかったけれど、覚えておいて損はなかったと思います」
パワーユニット(PU)を自分自身で始動することも、山本にとっては新鮮だったようだ。
「メカニックに火を入れてもらえるのかなと思っていたのですが、そうではなかった。自分で始動するのなんてF3以来でした。モーターを積んでいるので、外部動力ではなく、MGU‐Kから発電させてエンジンをかけます。基本的にピットのなかでは空吹かしをしてはいけないし、スロットルは踏まないでクラッチのリリースだけで出て行きます」
ちなみに、クラッチはスーパーフォーミュラ(SF)と同じくハンドクラッチで、ステアリング裏側のパドルで操作をする。
「パドルは全部で6つあります。下段の左右がハンドクラッチ、中段左右はシフト、上段は左がDRS、右がトグルです。トロロッソとレッドブルは基本的に同じステアリングを使っていますが、ドライバーやチームによってトグルに当て込んでいる機能やマップは違います。オンボード映像を見れば何かを変えたのは分かるけれど、何を変えたのかは現場でミーティングに参加しないと分からないですね」
上段右側のトグルは、山本がドライブしたマシンではブレーキのモード変更に使われていた。
「鈴鹿だと、2コーナーとヘアピンではブレーキのバランスやシェイプが全然違います。重要な部分なので言えないこともありますが、簡単に説明すると、ブレーキを踏んだり、リリースしたときの踏力とPUの回生の比率を変えたりするのがシェイプです」
「いろいろな種類の組み合わせがありますが、それをダイヤルやロータリースイッチで変えるとすごく時間がかかってしまうので、トグルで簡単に切り変えられるようになっています」
「乗用車のハイビームとロービームをレバーで切り換えるようなイメージで、押すのと、ニュートラルと、手前に引くのと3段階ある。たとえば、ヘアピンに行くまでに1段階押すと、ブレーキのモードがヘアピン用に切り換わります」
ちなみに、ブレーキバイアス調整システムに関してはつい先日ルノーの2台に技術規則に違反している可能性があるとして調査が行なわれた。結果的に前述の違反は認められなかったものの、ドライバーエイドに関する部分が判断され、失格の裁定が下った。
ステアリングの表側に目を移すと、ダイヤルスイッチが整然と並んでいる。
「スイッチの数自体はそれほど多くないですが、縦と横のダイヤルの数字の組み合わせでセッティングをいろいろ変えられます。たとえば『縦15の横8』という風にエンジニアから指示されます」
「組み合わせ自体は覚える必要がなく、ドライバーが自分で勝手に変えたりはしません。最適なマッピングを向こうが見つけて指示してくれます。FP1でも、ステアリング上のスイッチはひととおり全部使いました」
レッドブル・ホンダが初優勝を果たしたオーストリアGPで、マックス・フェルスタッペンに伝えられた「エンジン11、ポジション5」という指示は、PUのパフォーマンスを高めるためのプログラム変更だった。
「PUのマネージメントは毎周のようにしないといけない。走行中、モードはつねに変えています。無線でベストなエネルギーマネジメント方法を伝達され、速く走りながらもそれを忠実に実行しなくてはならない。また、相手を抜いたり近づかれないように少しバッファを使ったりすると、必然的にどこかで溜める作業も必要になる。そこはSFのOTSに似ているかもしれないですね」
「いつでも使えるけれど、その後何秒間か使えない時間もあるので、そのへんも考えて走る必要があります。ゆっくり走ればチャージできるわけではなく、メリハリをつけて走らなければならない」
「その際ターゲットタイムはなくて、ディスプレイを見たり、無線の指示を聞くなどしながら、ちゃんと考えて走らないとうまくチャージできないし、デプロイもできません」
(Keisuke Koga)
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7/5(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
7/6(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
7/7(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |