ミハエル・シューマッハーの元マネージャー、息子ミックのF1での成功を確信。本人もF1への思いを強める
2019年10月22日
長きにわたってミハエル・シューマッハーのマネージャーを務めてきたサビーネ・ケームが、7度のF1チャンピオン獲得経験者を父に持つミック・シューマッハーはF1で成功するために必要なものを持っていると語った。
ケームはシューマッハーが父と同じ道を歩み、いつの日か彼もチャンピオンに輝く日が来ると信じている。
「ミックは遅かれ早かれF1に行くだろうと確信しています。早いことを願っているけどね!」と彼女は『Die Welt』紙で語った。
「とても上手くやっていくだろうという確信がある。彼はすでに素晴らしい仕事を成し遂げてきました。ミックは、チャンピオンになるという夢を絶対に現実のものにするでしょう」
シューマッハーは昨シーズンのFIAヨーロッパF3選手権で素晴らしい走りを見せて連勝を達成。それまでトップの座にあったダン・ティクタムを下してタイトルを獲得し、フェラーリ・ドライバーアカデミーとの契約を結んだ。
しかし2019年にF2に参戦を始めてからは苦戦を強いられてきた。ハンガリーでのスプリントレースでは勝利を収めたものの、直近の6戦中5戦では完走できずにいたのだ。
結果、シューマッハーはプレマに51ポイントしかもたらすことができず、ドライバーズ選手権順位は12位となっている。対して、今季1戦を残してソチでタイトルを獲得したARTのニック・デ・フリースは266ポイントを稼いできた。
「ミックはとても不運なシーズンを過ごしてきたのです」とケームは認めている。
「気の毒に思っています。彼は信じられないほど多くの不運に苦戦してきた。そしてもちろん、彼にはまだ学ぶべきことがたくさんある」
「けれどもミックは分析や、正しく教訓を得ること、調整することが非常に上手いのです」とケームは語り、シューマッハーがF1でトップに登りつめるだろうという持論を曲げなかった。
しかしながらシューマッハーの名を背負うという期待値の高まりは、素晴らしい名誉であるとともに、モータースポーツにおいては疑いようもなく大きな重荷となる。だからこそ彼は当初、ミック・ベッシュという母の旧姓でキャリアをスタートさせたのだ。
「フォーミュラシリーズに参戦を始める前は、いつも母の名字を使ってきた」とシューマッハーはポッドキャスト番組の『Road to F1』で語った。
「誇大広告になることを確実に避けられたし、成長する時間も得られた。自分のペースで学ぶ機会も得ることができた。僕にとっては、とてもポジティブなことだったよ」と彼は説明している。
それでも秘密を隠し通すことは難しかったという。
「写真を撮られたら、撮らないように常にやんわりと断るようにしていた。プライバシーを守るためにね」
「母の名前でドライビングをしていたときは、もっと自由があったかって? そういうことではないんだ」と彼は話した。
ミック・ジュニアと名乗っていた時期もあったが、最終的には公にせざるを得ない時期がきた。
「フォーミュラでドライビングをするようになったころが、本当の名前をマシンに載せることを考えるのに良い時期だった」
今年の夏には父の乗っていたF2004をホッケンハイムでデモ走行させているが、彼はまだスポットライトを浴びることに慣れてはいない。
「不思議な気分だったよ」と彼は『Autoweek』に語っている。
「もちろん、あんな経験をしたことは今までなかった。父が経験していたことの、ほんの一部だった」
「父にとってどういうものだったかを想像するのは難しい。けれども楽しかったよ。人々からの雰囲気やサポートを本当に感じることができた」
この経験は、F1への思いをより強くするものだったという。
「もちろん、そのことを考えている。僕の夢なんだ。僕が行きたい場所であり、自分の人生を生きたいと思う場所だ。準備はできていると感じているよ」と彼は付け加えた。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(Translation:Akane Kofuji)
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