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【F1第9戦オーストリアGPの焦点】この勝利は、本当の意味での第一歩──。田辺豊治TDの頭脳に加わった新たなベース

2019年7月2日

 表彰台に登場したマックス・フェルスタッペンは、両手の人差し指で左胸の“H”を示し、誇らしげに胸を張った。レッドブルのホームグラウンドで実現した、ホンダ・パワーユニットの初勝利。プレゼンターのひとり、ゲルハルト・ベルガ―は2位のシャルル・ルクレールにトロフィーを授与し、フェルスタッペン、バルテリ・ボッタスと握手を交わした後、田辺豊治テクニカルディレクター(TD)のもとへと進んで大きなハグで“お気に入りのエンジニア”を包んだ──。ホンダ第2期F1時代からのファンにとって、感動がひと回り大きく膨らむシーンだった。

 田辺TDがベルガーのエンジン・エンジニアを務めたのは第2期後半のこと。F1界一のプレイボーイとして名を馳せ、いたずらっ子として恐れられたベルガーが、実直な日本の技術者に全幅の信頼を寄せた。何に関しても完璧を要求するアイルトン・セナがもたらす張りつめた空気が、時には誰の肩にも重くのしかかった時代。スマートにチーム内の空気を和らげたのがセナの親友ベルガーで、そのベルガーを力強く支え、バランスを保ったのが、ドライバーと同年代の田辺エンジニアだった。

「タナベはどこだぁ!?」
 ホンダが第3期活動を開始した当時、BMWのディレクターを務めていたベルガーは真っ先にたずねてきた。もちろん、アメリカで活躍していることは知っていたけれど。「F1に戻ってくるのにタナベがいないなんて、ホンダはどうかしてるよ!」──これが、言いたかったのだ。ベルガーにとって、ホンダ=タナベ。
 ベルガーだけではない。アメリカに行けばジミー・バッサーをはじめ、多くのドライバーが「タナベと一緒に勝った」と言う。入れ替わりの激しい日本の自動車メーカーにおいて、田辺豊治は組織の人ではなく本物のレース屋さん。ドライバーからもチームオーナーからも100%信頼された。なぜなら、技術者としておごりがいっさいなく、潔いほど正直だから。同時に、現実を見極めながら「勝ちたい」情熱を決して絶やさない人間だから。

「レースだから、もちろん勝ちたい。2020年を目標に、なんて考えてないです。やれることは、今すぐやります。入れられるものがあれば、どんどん入れていきます。でも、この先には今までなかった困難も待ち受けているだろうし、メルセデスもフェラーリも休んでいるわけじゃないですから。難しいことは分かっています」──こう話したのは、昨年の日本GPが終わった後。

「3位表彰台に安堵したのと同時に、トップとの差をまざまざと見せつけられた」と言ったのはレッドブルと戦った今年の開幕戦の後。

 ハイブリッド時代の初勝利は、劇的なレースで実現した。



レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
4/19(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

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