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【アゼルバイジャンGPの焦点】メルセデス独走の戦犯のひとつは、“熱しにくく、冷めやすい”ピレリタイヤ

2019年4月30日

 開幕4戦でメルセデスが1-2位フィニッシュ独占の記録を樹立。これほど一方的な結果になるとは、誰も予想していなかった。冬のテストで好調だったフェラーリはメルボルンで思いがけず苦戦──。それでも、バーレーンでシャルル・ルクレールが発揮した速さを見れば、たとえトラブルで勝利を逃がしても、フェラーリは解決方法を見つけるはずだとファンは期待を抱いていた。

 ところが上海でも傾向は変わらなかった。アゼルバイジャンは、その理由のひとつをはっきり示す週末だったと思う。

 マシンにいくつもの改良を投入したフェラーリは、FP2トップのルクレールが3番手ルイス・ハミルトンに対して0.7秒近い差をつけた。

 それでもルクレールは「予選トリムでは良くても、ロングランでの自分たちの位置は分からない」と慎重なコメントを残している。

 一方でハミルトンは「フェラーリ、とりわけシャルルが速い。一晩で0.7秒を挽回するのはちょっと無理」と言いつつ、金曜の時点ですでに、マシンのフィーリングが快適であり、とくにロングランはショートランよりも好調だと話している。

MERCEDES

 FP1はマンホールの問題で実質上キャンセル。FP2も2回の赤旗と多くのイエローフラッグが提示され、きちんとロングランを走れなかったのはどのチームも同じ。ハミルトンのコメントが示しているのは、タイヤの摩耗の良し悪しではなく“燃料を搭載してレースペースで走行してもタイヤが作動し続け、バランスが変らない”メルセデスの仕上がり具合なのだ。

 逆にフェラーリの場合は、タイヤを適正な温度域で使い続けることが難しい。予選トリムではウォームアップに成功し、軽いマシンで最速のペースを維持すればタイヤが作動温度領域から外れてしまうことはない。

 しかし、燃料を積んでペース配分しながら走る際には温度を維持するのが難しい──。長いストレートでフロントタイヤは冷えやすく、いったん温度が下がるとマシンはスライドし、グリップしないタイヤ表面にはグレイニングが発生する。

 グレイニングを悪化させないためには慎重にペースを抑えることが必要で、するとウォームアップはますます難しくなり、タイヤが再び適正温度を取り戻すにはとても時間がかかる。悪循環に陥るのだ。逆にリヤタイヤは温めやすい一方で、トラクションサーキットではオーバーヒートもしやすい。

 4輪のタイヤがきちんと作動しないと、マシンはアンダーステア/オーバーステアを繰り返し、ウォールに囲まれた市街地コースではとてもリスキーな状態になる。「グリップがない」とドライバーが表現する状態では、ステアリング操作に対してマシンがどう挙動するのか読めない状態になってしまうのだ。タイヤの温度管理は、路面温度が低いほど難しくなる。

 路面温度が43℃あったFP3まで、フェラーリは1-2位の速さを備えていた。しかし、17時スタートの予選では路面温度は36℃。セバスチャン・ベッテルが悩み始めると、メルセデスの2台、レッドブルの2台が彼を上回った。Q1終盤にはロバート・クビサ(ウイリアムズ)のクラッシュによって赤旗が提示され、Q2の開始が遅れ、その間にも路面温度はどんどん低下した。

 そして──難しいコンディションのなかでもミディアムでQ2に挑戦することを選んだフェラーリでは、ルクレールが痛恨のクラッシュ。フリー走行からQ1まで示してきた速さが、指の隙間からこぼれるように消えてしまった。

「ミディアムを履いていたのに、ソフトと同じところでブレーキングしたからタイヤがロックしてしまった。タイヤが悪いんじゃない。すべて僕のミスだ」

 自分が馬鹿だったと責めるルクレールに、罪はない。ウォームアップの難しいミディアムで、彼は最初のアタックから十分に速い──。ベッテルより1.3秒も速いタイムを記録していたのだから。





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2位ランド・ノリス279
3位シャルル・ルクレール245
4位オスカー・ピアストリ237
5位カルロス・サインツ190
6位ルイス・ハミルトン174
7位ジョージ・ラッセル155
8位セルジオ・ペレス144
9位フェルナンド・アロンソ62
10位ニコ・ヒュルケンベルグ24

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※シンガポールGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム516
2位オラクル・レッドブル・レーシング475
3位スクーデリア・フェラーリ441
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム329
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム34
7位マネーグラム・ハースF1チーム31
8位ウイリアムズ・レーシング16
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