F速

  • 会員登録
  • ログイン

ホンダF1甘口コラム 第3戦中国GP編:2チーム体制となっても問題の早期発見と対応がスムーズに機能。5年目のホンダに死角なし

2019年4月22日

 ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブル、トロロッソの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のレッドブル、トロロッソのコース内外の活躍を批評します。2019年F1第3戦中国GPを甘口の視点でジャッジ。

----------------------------

 2019年シーズンが開幕して、3戦目にして初めて、ホンダはパワーユニット(PU/エンジン)にトラブルを発生させた。中国GPの初日のフリー走行1回目を終えて、ピットインしたダニール・クビアトのパワーユニットのセンサーにデータ的な異常が発見されたのだ。

 トラブル自体は決して褒められるものではない。しかし、過去4年間、ホンダが起こしてきたさまざまなトラブルと比較すると、中国GPのトラブルはこれまでとは大きく異なっていた。

 まず、ホンダのスタッフが非常に落ち着いて仕事をしていたことだ。中国GPのフリー走行1回目が終了した後、サーキットではFIAによる金曜会見が開かれていた。その会見にホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターが出席していた。田辺TDによれば、「私は記者会見に出ていたので、会見が終わったときにスタッフから『交換することにしました』という連絡を受けました」と言う。

 つまり、パワーユニット交換を最終的に判断したのはトロロッソ側のチーフエンジニアを務める本橋正充だったと考えられる。今年からホンダはトロロッソだけでなく、レッドブルにもパワーユニットを供給するようになり、現場スタッフの数が約2倍に増えた。しかも、その頂点に立つ田辺TDはFIAの会見に出席しなければならない。しかし、ホンダの2チーム体制はしっかりと機能していた。

 それはフリー走行2回目が始まって45分間、クビアトがガレージにとどまることになっても、田辺TDはレッドブルのガレージを離れることがなかったことでもわかる。

「今年はレッドブルと初めて組むので、『流れをつかむまでは、私はレッドブル側にいる』ということは、トロロッソ側にも伝えています。トロロッソからは『去年と同じ席を用意している』とは言われていて、トロロッソ側に何かあったから、私はいつでも行けますが、だからといって、必ずトロロッソへ行くというわけではありません」と田辺TDは語る。

 2チーム体制はしっかりと機能していたことは、センサー異常を早期に発見したことにも表れている。クビアトは「まったく気がつかなかった」と言っていることから、発見したのはホンダのデータエンジニアだったと思われる。もし、このデータエンジニアがデータ異常を見逃していたら、トラブルはフリー走行2回目が開始された直後に発生していたかもしれない。そうなると、クビアトのフリー走行2回目は90分間、無駄になっていた。

「フリー走行2回目が始まって45分間走行できなかったことは、大変申し訳なかったのですが、トラブルが1回目のセッションの終了間際に発見されたことは、不幸中の幸いだったかもしれません」(田辺TD)

 さらにパワーユニットに深刻なダメージを与えずに止めたことで、ダメージがなぜ発生したのかを探る手がかりが残され、原因究明に大きく役立てられる。

 苦境に立たされているときこそ、その人の真価が問われるという言葉がある。5年目のホンダは、その部分でも大きく成長していた。

(Masahiro Owari)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
4/19(土) フリー走行3回目 22:30〜23:30
予選 26:00〜
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第5戦サウジアラビアGP 4/20
第6戦マイアミGP 5/4
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/18
第8戦モナコGP 5/25
第9戦スペインGP 6/1
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号