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F1技術解説2018年シーズン前半総括(1):メルセデスW09のダウンフォースを稼ぎ出す複雑な空力デザイン

2018年8月20日

 2018年シーズンは折り返し点を過ぎ、サマーブレイクも終わりに近づいている。後半戦突入を前に、前半戦で撮影した普段あまり見たことのない写真をもとに、各チームのマシンアップデートや、基本的な技術レギュレーションのおさらいをしてみよう。

■メルセデスのバージボードとディフューザーの詳細

 滅多に見ることのできない、F1マシンの前後写真である。フロントウイングを外されたメルセデスW09からは、バージボードがいかに複雑な形状をしているかがわかる。その役割は、ひとつは前輪によって起こされた乱流がフロア下に流れるのを防ぐことであり、もうひとつはY250と呼ばれる細かい渦を作り出し、車体表面からの気流の剥離を防ぐことだ。これらのデバイスが増えるにつれ、空力エンジニアたちは前方からの空気の流れを、より巧妙に処理できるようになった。


 マシン後方の写真からは、複雑なディフューザーの形状が見て取れる。同チームの空力専門家ウィリアム・トートによれば、フロアとディフューザーだけでダウンフォース総量の約60%を稼ぐという。そしてフロントウイングが23%、リヤウイングは17%に過ぎない。

メルセデスW09:バージボード(上)とディフューザー(下)の複雑な形状

■強化されたホイール脱落防止ケーブル

 ホイールティザーと呼ばれる、モノコックとホイールを繋ぐ脱落防止ケーブルが、今季から2本から3本に強化された(黄色矢印)。さらに違うサスアームを、通さなければならなくなった。ケーブルはザイロンという世界一の強度と難燃性を持つ、繊維素材で作られている。

マクラーレンMCL33に装着されたホイールティザー

■2019年仕様の単純化されたフロントウイング

 ハンガリーGP後の合同テストで、フォース・インディアが試した2019年用フロントウイングのプロトタイプである。現行仕様より単純化され、5枚以上のエレメントは禁止。幅も車幅と同じ2mに広がった。


 さらに両端は平らになり、ボーテックス(渦流)を造り出すアーチも外された。これによって先行車に近づいても乱流の影響を受けにくくなり、オーバーテイクが増えるとFIAは期待している。

フォース・インディア:2019年仕様と2018年仕様のフロントウイングの比較



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(Translation:Kunio Shibata)


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