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F1 Topic:シンガポールGPまでずれ込むことになったホンダの発表。一体何が起きていたのか?

2017年9月15日

 『マクラーレンがホンダと別れ、ルノーと組むことを決めた』という噂は、すでに夏休み明けのベルギーGP辺りから頻繁に語られていた。 


 9月初めのイタリアGPではアラン・プロストを始めとするルノー首脳陣が人目も憚らずマクラーレンやホンダを訪れ、さらにはFIA会長のジャン・トッド、FOG(フォーミュラ・ワン・グループ)のロス・ブラウンも同行する姿が目撃されるに及んで、もはや事態は後戻りのできないところまで進んでいることは明らかだった。


 関係者の語るところでは、マクラーレンとルノーの提携はすでにイタリアGP以前に決まっていたという。さらにトロロッソもホンダと組むことに基本的には合意していた。


 あとはホンダが首を縦に振ればいいだけだった。


 トッド会長やルノー首脳陣がホンダを何度も訪れたのは、その辺りの最終確認をするためだった。モンツァの週末に話をまとめ、週明け月曜か火曜には正式発表という筋書きもできていた。


 ところが発表は遅れに遅れ、とうとうシンガポールGPまでずれ込んでしまった。詰めの段階での調整に手間取ったこともあったようだが、一番はホンダが現場で即決できなかったからだった。


 最終決済は本社がする。日本企業では今も当たり前の慣習だが、スピードが命のF1では極めて非常識。ルノーのシリル・アビテブールも、「彼らは自分たちでは、何も決められない」と首を振っていた。


 案件は月曜日以降にホンダ本社の取締役会に掛けられ、一部の重役からは「いっそ撤退してしまえ」という意見も出たという。しかし最終的には活動継続が決まり、トロロッソと組むことが了承された。


 百億円単位の資金が動く巨大プロジェクトに拙速は確かに禁物だが、ことF1に関する限りホンダはずっと後手後手に回っている。今後はよりいっそう、現場スタッフの裁量に任せるべきではないだろうか。



(Kunio Shibata)


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