フェルナンド・アロンソが今シーズン最上位の6位に入賞。ストフェル・バンド―ンは今シーズン初入賞となる10位を獲得。ダブル入賞は、今シーズン初めてという好成績にも関わらず、レース後のマクラーレン・ホンダには予想していたような大きな喜びはなかった。理由は3つあった。
ひとつは、アロンソのピットストップのタイミングだ。スタートでカルロス・サインツJr.にかわされたアロンソ。追い抜きが難しいハンガロリンクではピットストップが最大のオーバーテイクのチャンスである。後ろを走るドライバーが前のドライバーと抜くには、先にニュータイヤに交換して、速いラップを刻んで逆転するアンダーカットという戦法がある。しかし、アロンソがピットインは、サインツと同じ35周目だった。
レース後のミーティングでアロンソも、「その(サインツがピットロードへ向かおうとした)瞬間、自分のピットインをやめようかと思った」と語っていたという。
案の定、ピットインしたアロンソはサインツの後ろでコースに復帰。最大にして、唯一のチャンスを逃してしまう。それでも、そこはアロンソ。2周後の37周目にコース上でオーバーテイクして、事なきを得た。
2つ目は、バンドーンのピットストップだ。スタート後に前方を走っていた3台が早めにピットインして前が空いたバンドーンは、アロンソとは逆にピットストップのタイミングを遅らせていた。後続と十分なギャップを築いた42周目にピットインしたが、ピットエリアで止まりきれずにピット作業が遅れてしまった。
これでオコンに逆転され、9番手から10番手に。1点でも多くポイントを稼ぎたいチームにとっては、やや不満の残る結果となった。
そして、最後の理由は、6位と10位がマクラーレン・ホンダが望むべき結果ではないからである。マクラーレンは何度も優勝しているチーム。ホンダも今年は表彰台争いを演じたいと開幕前に語っていた。
「ようやく、自分たちの中でスタートラインに立つことができたという感じ。本来はこのあたりのレベルで開幕したかった」と言う長谷川祐介総責任者。
半年遅れで2017年のスタートを切ったマクラーレン・ホンダ。夏休み明けに残された9戦に期待しよう。