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F1イギリスGP木曜会見:ただ一人デモ走行イベント欠席のハミルトン「断る権利はあるよ」

2017年7月14日

 第10戦イギリスGPの木曜FIA会見の主役は、もちろん地元4連勝がかかっているルイス・ハミルトン。しかし話題はレースのことではなく、前日にロンドン市内で行なわれたデモ走行イベント『F1 Live』に全20人中ただ1人だけ欠席したということ。 


 スキャンダル好きなイギリスメディアは早速ハミルトンのこの行動をとりあげて騒ぎ立てていたのです。


 しかし当のハミルトンは意外にもリラックスした様子で、しっかりと用意してきたと思われる回答でサラリとかわします。


「なぜ僕だけだったのかは分からないけど、それぞれに断る権利はあるし、これだけもの凄く緊迫したシーズンの局面だからこそ最高の状態で準備を整えてこの週末に臨みたかったんだ。(母国イギリスGPは)僕にとってシーズンで最も大切なものだからね」


「主催者には先週『行かない』と伝えたよ。トト(・ウォルフ)に相談してチームにも伝えて、僕の決断を尊重してくれたよ。イベントの様子は見ていない。メッセージの確認で何度か電源を入れるくらいで、基本的にケータイはオフにして離れるようにしているからね」


 ただでさえ雑音が多くプレッシャーも大きい母国GPであり、ましてや2戦連続でトラブルに見舞われているだけに優勝が必須という局面ですから、ハミルトンの気持ちも分からないでもありません。


 イベント会場ではハミルトン不在に対するブーイングもあったが、ギリシャへ行く暇があったらロンドンにいたほうがイギリスGPへの準備としては良かったのではないかという、かなり手厳しい質問も飛びました。


「僕はロンドンに住んでいるわけじゃないし、まずモナコの自宅に戻ってからギリシャにいったんだ。普段から長距離移動はしているし飛行機疲れもない人間だ。今はこの週末のことだけに集中している。毎年ファンの人たちからはこの場で多くの愛情を受け取っている。ここでみんなに会うのが楽しみだよ」


 余裕を見せるハミルトンに、記者たちはやや不満な様子。
 しかし記者会見場のそんな不穏な空気を和やかにしたのはダニエル・リカルドの笑顔でした。


 シューイーを今後もやるのかという質問には「バルテリ・ボッタス」と日本語に似たフィンランド語の発音を真似て「彼には逃げられてガッカリだね!」と言いながらも「もうやらないよ」と宣言。


「今回みたいな2連戦の時はリスキーだよね。表彰台登壇者が全員入院!なんてこともありえるからね!(笑)」


 その後もセバスチャン・ベッテルの誕生日パーティにトト・ウォルフが出席したことをどう思うかと聞かれたハミルトンが困っていると「タダ酒ほど美味いものはないからね!」と笑いを取り、司会者も「あなたのクツで飲むんじゃなければね!」と上手い合いの手。これに乗じてハミルトンも「笑うしかないよね」と答えをはぐらかします。


 主役があまり乗ってこないイギリスGP木曜会見を、4戦連続表彰台獲得中でとにかくテンションの高いリカルドが盛り上げてくれたのでした。



(Mineoki Yoneya)


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