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今宮純の初日インプレッション:“奇跡”への回廊、跳ね馬のスタートに刮目せよ

2016年9月3日

 パワーユニット・ペナルティの呪縛から解放されたルイス・ハミルトンが、得意なモンツァを自分流に攻めた。フリー走行1回目から2回目で、セクター1<0.065秒>、セクター2<0.191秒>、セクター3<0.465秒>も短縮。


 大幅タイムアップの最終パラボリカ・カーブ。モンツァの肝は、ここだ。超高速で進入して長く旋回、加速力を強めてメインストレート1070mに向かう鬼門。大回り(アンダーステア気味)になるのを抑え、ハミルトンはスパッとピット寄りのインサイドラインを駆け抜けた。スタンド寄りを走るよりも、5.793kmコースの近道ラインとなる。


 1コーナーとロッジア・シケインで何度もまっすぐエスケープヘ。ハミルトンらしい避難路の使い方、金曜に何度こういう“トライアル”をするかで本調子ぶりが透けて見える。ノリノリ、イケイケのときは「もっと、もっと!」と遠くまで速度を保ち、カーボンブレーキの感触や温度変化などを体で探る。ブレーキングポイントを奥までえぐり、リミットを頭にメモリー保存する。土曜、日曜に絶対ミスしないために……。


 昨年は、めったにない初日から決勝まで、すべてトップの“超・完全試合”をやった。ポールポジション・優勝・最速ラップのハットトリックを超えるスゴイ記録、F1最速サーキットで達成したドライバーは現役ではいない。イタリアGPでポール4回、今年も獲得すれば最多ファン・マヌエル・ファンジオとアイルトン・セナに並ぶ。


 スーパーソフトとソフトタイヤでのロングラン・ペ―スもきっちり仕上げ、本人いわく「ベリー・グッド・デイ」。ロングラン中にトラフィックがあってもタイムを失っていなかった。かわすためにラインを変えてもタイムロスしていないし、タイヤにストレスをかけていない。ハミルトンの『今季ベスト・フライデー』──。


 フェラーリは聖地に2016年パワーユニットの最終・決戦バージョンを投入。新CTOマッティア・ビノットさんの決断だ。金曜インプレッションとしてはドライバビリティがフレンドリーで、ふたりろもアクセルオン時にブレる動きが、かなり減った。フリー走行2回目に合計60周のロングラン、燃費改善とデプロイ改良も確認できたのではないか(最後の3トークン使用は、そこを狙ったと見てとれる)。ふたりのコメントも控えめ、決勝ペースにアップデート効果を実感できたのではないか。


 スパではスタート・ダッシュが良かったフェラーリ。ポールポジションでなくとも2列目から決めれば、1コーナーまでは600m以上、前に出たら抑えられるだけの直線スピードは確認できている。金曜時点で言うのは早いが、モンツァのスタートは“奇跡”への回廊だ。


 最後に今週モンツァ「話題の人」について。木曜に引退発表したフェリペ・マッサ、最近切れ味が薄れていたのは確かだった(今年、彼に対して失礼なコメントをしたかもしれない)。マッサがウイリアムズに来てから最初のいい仕事はピットストップの改善だった。スタッフの前で見せ、バルテリ・ボッタスも学んだ。今年の彼らがピット最速賞を連続受賞しているのはマッサのおかげと言っていい。「ハッピー・リタイアメント」を祈ります。


 叩かれているマックス・フェルスタッペンについてシンプルな私見を。18歳は反抗期、まわりから言われれば言われるほど逆らいたくなる年頃だ。騒動の原点は、そこではないか。父親はウザったいし、同じ年輩キミ・ライコネンは、よけいにそうだろう。諭すのは若いセバスチャン・ベッテルが適任だ。1980年代にはGPDA会合で重鎮が言い含め、90年代にはセナがエディ・アーバインを殴り、ミハエル・シューマッハーにも説教した。いまは、そういう人物がいない。ルール云々を言っても反抗期だから逆らうばかり……。


 オランダのハイネケン・ビールが初の冠スポンサー、緑に染まった伝統のイタリアGP。2000年は16万人以上の満員、今年はそれ以上か。メルセデス対フェラーリ対レッドブル、そこにマクラーレン・ホンダが上がってきたら言うことなし。今年の後半戦は1戦ごとに、コンペティション濃度が高まってきている。



(Text : Jun Imamiya)


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4位TGRハースF1チーム17
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