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【レースの焦点】“共犯”の意志で結ばれていた3人の王者たち、アロンソがファンに向けた約束のメッセージ

2018年11月28日

 ハミルトンともベッテルとも、勝利を懸け、タイトルを懸け、何度も厳しい戦いを繰り広げてきた。外から見ればトップドライバーとして恵まれた環境に身を置きながら、3人それぞれ異なるアイデンティティと“武器”を手にして、それぞれの道を探ってきた。

 タイトル争いの機微を強烈に感じ取れるのは、1000人以上のチーム、あるいは何万人というメーカーを背後に従え、至上の目標に向かって最後は1対1で勝負したドライバー同士だからこそ。互いに相容れない要素のほうが多くても、芯の部分では自分たちだけが経験する世界を共有してきた。

 テレビ解説者たちはいろいろなことを言う。外から見てアロンソが間違った選択をしたと言うし、ベッテルがミスをしたと責める。でも、自分ならそんなことのためにF1に帯同したいとは思わない。本当は好きではない“移動”をアロンソが受け入れるのは、行く先々にレースがあるから。F1でなくとも、到着した先に戦う仲間やライバルがいて、そのなかに身を置けるからなのだ。これまでも、これからも──。

XPB Images

 最後のアブダビGP──。レース中の雨の確率が40%と表示された時、アロンソは2010年の週末を思い出しただろうか。砂漠のはずのアブダビで、あの年の金曜日にはフリー走行の1時間半前に降雨がヤスマリーナを通過した。ここは砂漠だと思っていたから、パドックの誰もが驚いた。でも、レースに本当の影響を与えたのはそれより前、先発隊のエンジニアやメカニックが火曜の夜に経験した雷雨だった。排水がほとんどないコースで、アブダビの舗装は09年とは異なる性格を備えてしまった。

 ウエットトラックで始まった金曜のフリー走行。ブリヂストンのエンジニアたちが目にしたのは、いつもとはまったく違うタイヤの外観の「奇妙なグレイニング」だった。コンパウンドの軟らかさがコースの厳しさに負けているのではない。タイヤが冷えている状態で横方向に滑って発生する症状だった。タイヤ表面がグリップするだけに、分析が難しい状況は、土曜の走行でも明解を与えてはくれなかった。

 だから各チームに告げたのは、「15〜20周目が一番厳しくなるはず。フロントがきつくても、リヤが大丈夫ならグレイニングの症状は改善するはず。だから、ドライバーのフィーリングを確認してリヤが大丈夫ならステイアウトしてほしい」というアドバイスだった。

 しかしフェラーリは、13周目にピットインしたフェリペ・マッサのタイヤを見て慌て、15周目にはアロンソをピットインさせてしまった──。マッサのタイヤはリヤにもグレイニングが発生していたからだ。4番手を走行していたアロンソはピットインによって12番手まで後退、その後ずっとルノーのビタリー・ペトロフに行く手を阻まれ、タイトルを逃した。

 アロンソが第1スティントで使用したスーパーソフトは、ピットで確認するとマッサの場合とは異なって、リヤにグレイニングの症状は見られなかった──。チームがあと数ラップ我慢してアロンソと慎重に相談していれば、ポジションをキープし、フェラーリはタイトル争いをドライバーに委ねることが可能だったのだ。

 アブダビにも、時には雨が降る──。そんな砂漠の切なさを、きっと後になって知ったのはベッテルとハミルトンだ。8年前、ベッテルは優勝し、アロンソが7位でレースを終えたことによって初めてのタイトルを獲得した。勝者ベッテルが記者会見で2位ハミルトン、3位ジェンソン・バトンの温かい祝福を受ける頃、フェラーリのミニ会見でアロンソは下を向き、ポツンと涙を落としていた。





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