「データ的にソフトウェアをいろいろとアップデートしているので、そのデータ設定のセッティングに水曜日の夜まで時間を費やしていました」

　ホンダがモナコGP開幕前夜にサーキットを後にしたのは、カーフュー（夜間作業禁止）が始まる水曜日の夜11時直前だった。

「エンジン本体のマッピング自体はHRD Sakuraでもやれるんですが、温度領域などエンジンを使用する環境条件が異なるので、その辺りはサーキットに来てからでないと合わせ込めることができない。特にモナコは通常のサーキットでは使用することがないエンジン回転領域を多用するので、その回転領域でのドラビリ（ドライバビリティ）も改善しなければなりません。さらにこれらのエンジン本体のセッティングのほかにエネマネ（エネルギーマネージメント）という電気系のセッティングもやらなければなりません」と中村チームエンジニアは語る。

　モナコGP初日のマクラーレン・ホンダは久しぶりにトラブルフリーで一日を終えた。しかし、最速を目指す戦いに終わりはない。

「モナコGPは金曜日に休みがありますが、私たちにとってはモナコGPは時間があるだけ仕事が増える」という中村チーフエンジニア。もちろん、金曜日もサーキットでの仕事は続く。

（Text : Masahiro Owari）

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