もうひとつ、マクラーレン・ホンダが初の2台そろってのQ3進出にも冷静だったのは、それが最終目標ではなく、最低ラインにすぎないからではないだろうか。

　開幕前、長谷川総責任者は2016年シーズンの目標として、予選で安定して2台そろってQ3に進出し、レースで常にポイント争いをすることをあげていた。しかし、それを実現するのに11戦を要した。

　だから、「このようなコンディションの中でもQ3へ進出して、しかも7番手と8番手につけることができたのは、非常に価値があります」と長谷川総責任者は一定の評価を下しつつも、諸手を挙げて喜ぶような様子はない。

　2台そろってのQ3進出はホンダにとってゴールではない。ここから、逆襲へのスタートが切られる。

（Text : Masahiro Owari）

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