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【F1第12戦決勝の要点】ついにマシン“ダウングレード”敢行。戦闘力不足に悩むフェラーリの憂鬱

2024年7月8日

 メルセデス、レッドブル、マクラーレンが三つ巴の優勝争いを繰り広げた2024年F1第12戦イギリスGP。ルイス・ハミルトン(メルセデス)が母国で記憶、そして記録に残る歴史的な1勝を挙げたなか、コンストラクターズランキング2位につけるフェラーリはこの優勝争いに加わることができず、完全に仲間はずれ状態に終わった。


 カルロス・サインツ(フェラーリ)はかろうじて5位に入り、ファイナルラップにはファステストラップを記録すると、さらに1ポイントを加えた。しかし11番グリッドスタートのシャルル・ルクレール(フェラーリ)は一度もポイント圏内に入ることなく、14位に終わった。


 すでに何度も言及されているように、低迷の一番の理由は車体のアップグレードに失敗したことだ。2週間前の第10戦スペインGPで、フェラーリはフロアやディフューザー、ボディワークなどに大規模な空力変更を行った。ところがこの改良によって、高速走行中にバウンシングが出るようになってしまった。

2024年F1第12戦イギリスGP カルロス・サインツ(フェラーリ)
2024年F1第12戦イギリスGP カルロス・サインツ(フェラーリ)


 今季のフェラーリのマシン『SF-24』は低速から高速域まで、強大なダウンフォースを満遍なく生み出せるのが特徴だった。おかげでサウジアラビアGPの舞台ジェッダのような高速コースでも、超低速のモナコ・モンテカルロでも速さを発揮できた。しかし、スペインGPで投入したアップデートでバウンシングが出たことで、車高を上げて対処せざるを得なくなった。高速区間でのダウンフォースという大きな武器を封じられたわけだ。


 データ上のパフォーマンス向上効果は確かにあるとして、フェラーリはこのアップデート仕様を使うことにこだわり続けた。しかし「クルマが跳ねまくって、まともに運転できない」というドライバーの不満を解消することはできず、シルバーストンでは第7戦エミリア・ロマーニャ仕様に戻すことを決めた。実質的なダウングレードだった。


 その結果、「高速区間での挙動は少し安定した(サインツ)」ようだ。それでも予選はハースのニコ・ヒュルケンベルグにも劣る7番手。ルクレールに至っては11番手でQ2落ちを喫した。メルセデス、マクラーレンが1戦ごとに速さを増す状況で、相対的にフェラーリの戦闘力が下がったのは明らかだった。


 ほんの1カ月半ほど前のモナコGP終了時のフェラーリは、コンストラクターズで首位のレッドブルに24ポイント差まで迫っていた。しかしイギリスGPを終えた今、レッドブルとの差は71ポイントまで広がり、逆に3位マクラーレンとの差はわずか7ポイント。両者の勢いを見ればフェラーリの2位の座は風前の灯だ。アップグレードの失敗という大きな代償を、フェラーリはしばらく払い続けることになるかもしれない。

2024年F1第12戦イギリスGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第12戦イギリスGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

2024年F1第12戦イギリスGP フレデリック・バスール(フェラーリ)
2024年F1第12戦イギリスGP フレデリック・バスール(フェラーリ)



(柴田久仁夫)




レース

7/5(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
7/6(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
7/7(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※イギリスGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン255
2位ランド・ノリス171
3位シャルル・ルクレール150
4位カルロス・サインツ146
5位オスカー・ピアストリ124
6位セルジオ・ペレス118
7位ジョージ・ラッセル111
8位ルイス・ハミルトン110
9位フェルナンド・アロンソ45
10位ランス・ストロール23

チームランキング

※イギリスGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング373
2位スクーデリア・フェラーリ302
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム295
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム221
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム68
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム31
7位マネーグラム・ハースF1チーム27
8位BWTアルピーヌF1チーム9
9位ウイリアムズ・レーシング4
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第12戦イギリスGP 7/7
第13戦ハンガリーGP 7/21
第14戦ベルギーGP 7/28
第15戦オランダGP 8/25
第16戦イタリアGP 9/1
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