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英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:メルセデスに慣れてしまったマゼピンの課題。大きな試練を乗り越えたシューマッハー
2021年4月28日
2021年F1にデビューしたミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンは、ともにハースF1チームで初めてのシーズンを送っている。ふたりはどのように学び、つまずき、成長していくのか。キャラクターの異なるふたりのルーキーのデビューシーズンを、英国人ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が観察していく。今回は第2戦エミリア・ロマーニャ編だ。
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イモラのレースが複雑なコンディションの下で行われ、あれほど大混乱の展開になったにもかかわらず、ハースのルーキーがふたりとも完走できたのは驚くべきことだ。最悪の場合、チームは多額の修理費を負担しなければならない状況に陥っただろうが、ふたりはしっかりと貴重な経験を積み、有意義な一日を過ごした。
ジョージ・ラッセルとバルテリ・ボッタスが高速でクラッシュした後、メルセデスのトト・ウォルフ代表は、高額の修理費がかかることを嘆いた。今年はバジェットキャップが定められているため、壊れたパーツの交換に予算を使うと、その分、開発費用を削らなければならないのだ。
ハースにとっては、バジェットキャップは大きな問題にはならない。彼らはリミットぎりぎりで活動しているわけではないため、少なくとも財政規則を気にすることなく修理することができる。しかし、今年、最大限のリソースを2022年型マシンの開発に使おうとしているハースにとって、今季型の修理に費用を回すのはうれしいことではないはずだ。
つまり、ハースのふたりにとって、今年は高額の費用がかかるようなクラッシュを避けることが重要だ。イモラではその点はおそらく許容範囲に収まったし、ふたりのパフォーマンスも心強いものだった。
金曜日は幸先が良いとはいえなかった。バーレーンで悲惨な週末を送ったニキータ・マゼピンはイモラでの挽回を期していたはずだが、FP1序盤にさっそくスピンオフしてしまった。さらに、セッション終了直前には最終コーナーでクラッシュしてマシンをとめた。大きなプレッシャーがかかっていたのだろう。
チーム代表ギュンター・シュタイナーは、FP1とFP2の間に行われたFIA記者会見において、マゼピンはどうすれば苦境から抜け出せるのか、いつごろまでパフォーマンス向上の兆しを待つ覚悟があるか、といった質問を受けた。そういった質問にシュタイナーはうまく対応し、マゼピンの苦戦について興味深い視点で語った。
ロシアの富豪の息子であるマゼピンは、F1デビュー前に、多額の金を積んで最高のマシン、つまり旧型メルセデスで一連のテストを行ってきた。2020年末にソーシャルメディアに投稿した動画が物議をかもすまでは、アブダビテストで最新型メルセデスに乗る予定もあった。それはかなわなかったものの、マゼピンはタイトル獲得マシンで走行経験を積んできたのだ。
もちろんドライバーにとって最速のマシンに乗るのは良い経験だ。だがシュタイナーの考えでは、マゼピンはメルセデスのマシンに慣れてしまい、それほど競争力が高くないハースのマシンを扱うのに苦労しているのだという。そのために彼はマシンに過剰な期待を持ち、行き過ぎてミスを犯す、というわけだ。
チームメイトのミック・シューマッハーは、さまざまなチームでテストを行ってきた。アブダビではハースに乗り、今年のマシンがどういうものなのかをある程度把握してシーズンに臨んだ。そのため、難しいマシンに乗っても比較的うまくコントロールできているのかもしれない。
■クラッシュで動揺するシューマッハーに、チームが完璧なサポート
土曜日、マゼピンは順調に走行したが、ひとつだけ他のドライバーとの間でインシデントが起きた。予選Q1最後のラップにおいてターン1に向かうところで、マゼピンはアントニオ・ジョビナツィを追い越したのだ。つまり、アタックラップの直前に追い越しをしないという紳士協定を2戦連続で破ったわけだが、結果はQ1どまりだった。
マゼピンは、FP1でクラッシュした後、リセットする必要があり、予選までに十分な学習を積むことができなかったと明かしている。一方のシューマッハーの方は、順調な週末を過ごしており、Q2に進むチャンスをうかがっていたが、0.4秒差でQ1落ちを喫した。とはいえ、自信を持って走れる状態でなければいいタイムを出せない、難しいイモラで、ルーキーにしてははまずまずの予選を走ったといえるだろう。
決勝では大きなチャレンジがふたりを待ち受けていた。マゼピンはオープニングラップでニコラス・ラティフィのスピンに巻き込まれた。このインシデントにおいてマゼピンには全く非はなく、ラティフィは他のマシンが巻き込まれていたことに気付いてもいなかった。マゼピンはこのインシデントによっていったん最後尾に落ちることになった。
続いてシューマッハーにアクシデントが起きた。ラティフィのウイリアムズを撤去するためのセーフティカー出動中に、ピット入口でクラッシュし、フロントウイングを壊してしまったのだ。走行を続けることはできたものの、彼のマシンのデブリを取り除くためにピットレーンがクローズされたため、2周にわたって壊れたノーズで走り続けなければならなかった。
無線でチームに平謝りをするシューマッハーは明らかに動揺していたが、その時の彼のレースエンジニア、ゲイリー・ギャノンの対応が素晴らしかった。シューマッハーが落ち着きを取り戻せるよう、ダメージの心配はしなくていい、ゆっくりピットに戻っておいで、と静かに声をかけ続けた。ルーキーからプレッシャーを取り除く、完璧な対応で、その無線を聞いた多数の人々が、彼にライフコーチングを頼みたいと言い出すほどだった。
元々後方を走行していたシューマッハーだが、この大きなミスによって早い段階でブルーフラッグを受けることになり、自分のペースで走り続けるチャンスを失った。しかし途中、赤旗が出たために、リスタート後には全車が固まって走ることになり、ハースのふたりはトリッキーなコンディションにおいて経験を積む貴重な機会を得た。
マゼピンは一度スピンしたものの、マシンにダメージはなく、2台は揃ってチェッカーフラッグを受け、この極めて過酷な一日を終えた。ドライバーふたりが今後の向上に役立つたくさんのことを学んだという意味で、シュタイナー代表にとってもポジティブな一戦といえるだろう。シューマッハーは、サーキットによっては他のチームとバトルをすることができそうだ。マゼピンもミスを減らしつつある。
(Chris Medland)
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9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |