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ハミルトンが史上初の通算100勝目、フェルスタッペンは追い上げて2位。ノリスは雨に泣き7位【決勝レポート/F1第15戦】
2021年9月26日
9月26日現地時間15時、F1第15戦ロシアGPの決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがキャリア通算100勝目を挙げた。
空には雲が多く、サーキットの西側に位置する黒海の海上では降雨も見え、レース中の降水確率は70%。気温は19度、路面温度は22度と低く、土曜の雨で路面はクリーンになっている。
金曜に今季4基目のパワーユニットを投入したシャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に加え、土曜にはニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、そして予選後には予選7番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)も戦略的に今季5基目のパワーユニットを投入。3人は最後尾グリッド降格、ボッタスは3基のため15番グリッド降格ペナルティを科された。予選18番手のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)はギヤボックス交換を行って5グリッド降格ペナルティを科されたが、上記の降格があったため16番グリッドはボッタス、ジョビナッツィは17番手、ラティフィが18番手、ルクレールが19番手、前戦で受けた3グリッド降格もあったフェルスタッペンは20番グリッドからのスタートとなった。
予選がウエットコンディションで行われたためスタートタイヤの選択は全車自由となり、ミディアムタイヤが大半。ハードを履いたのは6番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、8番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、11番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、16番手ボッタス、17番手ジョビナッツィ、19番手ルクレール、20番手フェルスタッペンのみ。
スタートでポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)は好発進を切るが、ターン2までの長い直線区間で3番グリッドのジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がアウトから2番グリッドのカルロス・サインツ(フェラーリ)の前に出る。しかしサインツは、スリップストリームを使ってターン2のブレーキングでアウトからノリスの前に出てトップに躍り出た。
4番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)は加速が悪く、ターン2までにダニエル・リカルド(マクラーレン)とランス・ストロール(アストンマーティン)に抜かれて、ターン2手前でインに寄せたノリスの煽りを受けてバックオフせざるを得ず7番手まで後退してしまう。ハミルトンは2周目のターン3でアウトに並んで、ターン4でアロンソをパスして6番手に浮上した。
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は2周目に最後尾に落ち、ルクレールは12番手、ボッタス15番手、フェルスタッペンは17番手で2周目へ。これで順位は首位サインツ、2番手ノリス、3番手ラッセル、4番手ストロール、5番手リカルド、6番手ハミルトン、7番手ペレス、8番手アロンソ、9番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、10番手キミ・ライコネン(アルファロメオ)というオーダーになった。3番手ラッセルは上位2台に付いていくことができず、その後方はフェルスタッペンまで長いトレイン状態となる。
フェルスタッペンは6周目のターン13でボッタスのインに飛び込んでパスし14番手に上がり、8周目にはガスリーを抜いて13番手へ。10周目のターン7でセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)との争いでワイドになったルクレールもパスして12番手に上がった。しかしボッタスはガスリーに抑え込まれて15番手に留まる。
8周目を迎える頃には各車とも左フロントタイヤにグレイニングが出てペースが低下。首位サインツに対して2番手ノリスが迫りプレッシャーを掛けていき、13周目のターン13でサインツを抜いてトップに立った。
12周目にストロールが先陣を切ってピットインしハードタイヤに交換。13周目にラッセルとラティフィ、角田もピットインし、14周目に2番手サインツもピットに飛び込んでストロールの直前でコースに戻り、ラッセルはストロールにアンダーカットされる。
各車がピットインしたところで首位ノリスはステイアウトし、2番手リカルドが3番手ハミルトンを抑え、フェルスタッペンは6番手まで浮上して1周1秒速いペースで上位グループを追いかけていく。
ラバーが乗り路面が改善していくにしたがってタイヤの状態は改善し、各車ともペースを維持して走行を続けていく。3番手ハミルトンを抑える2番手リカルドの後方は6番手フェルスタッペンまでトレイン状態となる。
リカルドに対してアンダーカットを仕掛けようと訴えるハミルトンに対し、リカルドは22周目に先にピットイン。しかし作業が完了してもシグナルが変わらず大幅にタイムロス。これを見たハミルトンは1秒ペースアップしてステイアウトに切り替えた。首位ノリスとの12秒のギャップをじわじわと縮めていく。フロントタイヤのデグラデーションに苦しみ始めたフェルスタッペンはこのペースに着いていけず、前のアロンソのDRS圏外へと下がってしまった。
26周目にハミルトンがピットインしてハードに交換すると、フェルスタッペンもこれに続いてピットインしミディアムに履き替える。ハミルトンはリカルドの前に留まりオーバーカット。フェルスタッペンはラッセルの後方に戻る。
首位ノリスは28周目にピットインしてハードに交換し、サインツの7秒前で復帰。ボッタスもピットインしてミディアムに交換し、ベッテルの後方16番手に下がる。
サインツはハードタイヤのままステイアウトするガスリーに引っかかり、ハミルトンは30周目のターン2でサインツをパス。さらにターン13でガスリーを抜いて実質2番手に浮上。フェルスタッペンは28周目のメインストレートでラッセルをパスしてリカルドに迫るが、リカルドはガスリーを先頭とするトレインのなかにいるため追い抜きは難しい。32周目のメインストレートでストロールを抜くが、タイヤもいたわらなければならないフェルスタッペンはリカルドに対して決定機を作れない。
ガスリーは33周目にピットインしてサインツはようやくフリーエアになるが、この間にハミルトンとのギャップは13秒まで広がってしまう。サインツを先頭とするトレインのなかでフェルスタッペンは依然としてリカルドを捕まえられない。
同じくハードタイヤのまま第1スティントを引っ張る首位ペレス、2番手アロンソ、3番手ルクレールの後方に実質首位ノリスが追い着き、ハミルトンはファステストラップを記録しギャップを4秒まで縮めてくる。
35周目にルクレールがピットインしミディアムに交換。左リヤタイヤのロスで4.8秒を要してボッタスの前13番手でコースに復帰するがフレッシュなミディアムタイヤを活かしてポジションを挽回していく。36周目にペレスとアロンソもピットインし、ペレスはここで右リヤが外れず8.9秒のロスを喫したもののアロンソに先行は許さずフェルスタッペンの前5番手に留まった。フェルスタッペンは左フロントのグレイニングに苦しみ、フレッシュなミディアムタイヤのアロンソに38周目のターン2でインに入られて7番手に後退してしまう。
残り15周で2番手ハミルトンはファステストラップをさらに塗り替えながら首位ノリスに迫っていく。これに対してノリスもファステストで対抗してみせる。43周目にハミルトンはついに1秒以内の差に追い着き、攻勢を掛ける。しかしノリスはセクター3が速く、ハミルトンにDRSを使わせない。
ペレスは44周目のターン13でインに飛び込み、ターン14のアウトからリカルドを抜いて4番手に浮上。さらにペースの落ちた3番手サインツを追いかけ、47周目のターン13でパスして3番手へ浮上した。
46周目には小雨が降り始め、ハミルトンは一気にノリスの背後に迫る。47周目のターン5でノリスは止まりきれずにコースオフするが、なんとかハミルトンを抑え込んだ。かなり雨脚が強くなり、セクター2はかなりスリッパリーになる。47周目にはボッタスやラッセルがピットインしてインターミディエイトに履き替えるが、ピットが準備されていたハミルトンは入らず。
48周目にフェルスタッペン、サインツ、リカルド、ストロールもピットインし、首位ノリスはピットインを拒否するが、後方にピットストップ分のギャップがあったハミルトンは49周目にピットインしインターミディエイトに履き替える。
ハミルトンは2番手のままでコースに戻り、残り4周で20秒差を追いかける。51周目にはいよいよ雨脚が強まり、セクター2はかなりの水量になりノリスはターン5で止まりきれずコースオフ。バリアとの接触は避けるがハミルトンに抜かれ、これ以上の走行は不可能だと判断してピットに戻り8番手まで後退する。この間にフェルスタッペンは2番手に浮上することに成功した。
ハミルトンは大逆転劇で今季5勝目、キャリア通算100勝目を飾った。2位には50秒差でフェルスタッペン、3位サインツ、4位リカルド、5位ボッタス、6位アロンソ、7位ノリス、8位ライコネン、9位ペレス、10位ラッセルという結果になった。角田は雨に合わせてソフトタイヤ交換のギャンブルを取ったものの失敗に終わり17位でレースを終えている。
(Mineoki Yoneya)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 393 |
2位 | ランド・ノリス | 331 |
3位 | シャルル・ルクレール | 307 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 262 |
5位 | カルロス・サインツ | 244 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 192 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 190 |
8位 | セルジオ・ペレス | 151 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 31 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 593 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 557 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 544 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 382 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 49 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 44 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |