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ホンダF1田辺TD初日会見:バンクでの走行は問題なし。角田のPUは電装系周りのハーネスを損傷も、原因を究明

2021年9月4日

 2021年F1第13戦オランダGP初日は、2回のフリー走行中に計3回の赤旗中断が起きた。特にFP1の中断は40分に及び、周回時間はわずか20分にとどまった。そんななか、下位カテゴリーでもこのサーキットの走行経験のない角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、パワーユニットの電装系トラブルで最初のセッションをほぼ走れずに終わる。


 それでも修理を終えたFP2では順調に31周をこなし、13番手とまずまずの結果で初日を終えた。他のホンダドライバーはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が5番手、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)7番手、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)12番手と順位的には今ひとつだったが、必ずしも本来の戦闘力を反映したものではなさそうだ。


 ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターも、「4台ともに走行メニューをこなすことができた」と、順調に初日を終えたことを強調。このコースで特徴的な急角度のバンクについても、「我々のシステムでは特に問題はない」とのことだった。


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──現在のF1では初走行となるオランダGP初日が終わりました。


田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):昨年開催の予定が新型コロナウイルスで中止になっており、マックス(・フェルスタッペン)選手にとっては待ちに待った母国グランプリだったと思います。我々にとっても、いつも以上に力の入る週末です。


 初日は事前情報通りというか、非常に特徴のあるコースレイアウトを実感できました。コース幅が狭い上に1周も短いので、渋滞も発生しました。一方で角田(裕毅)選手はパワーユニットに不具合が出て、FP1が始まってすぐに止めることになりました。他にも赤旗中団による走行制限もありましたが、おおむね4台ともに走行メニューをこなすことができました。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第13戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


──角田選手はFP1をほとんど走れませんでしたが、パワーユニットを交換していたのですか。あるいはそれ以外の処置をしていたのでしょうか。


田辺TD:電装系周りのハーネスに損傷が出ていまして、その交換や原因を明確にする作業をしていました。その結果、ほとんど走れずに終わったという状況です。その後すべて原因もわかって、パーツも交換してFP2では通常通り走行できました。


──コースへ出ていってすぐにスピンしたのは、そのトラブルの影響ですか。


田辺TD:発生したタイミングは定かではないですが、スピンとは関係ありません。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第13戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──2箇所のバンクが特徴的なコースですが、インディアナポリスでのレースでは激しい縦方向のGに対して特別な対策をしていたと記憶しています。今回も特別な対処をしてきたのでしょうか。


田辺TD:特に問題となるレベルのGではありません。縦Gに関していうと、Gが抜ける側ではオイルタンク内でオイルが浮いてしまうので、いろんな対策が必要です。しかし下にかかる分には、少なくとも我々のシステムではわりと問題ありません。インディでは縦というよりむしろ連続する横Gでオイルが偏ってしまいましたが、ここは横Gはそれほどでもありません。


──インディアナポリスの2倍のバンク角なので、横よりも縦方向のGが大きいということですか。


田辺TD:角度だけの問題ではなく、コーナー半径、コーナリング時間も関わってきます。


──バンク以外に、パワーユニット関連のこのコースの特徴というのはありますか。


田辺TD:特にないですね。ただ他のカテゴリーを見ていると、コースオフしてグラベルにはまると、グラベルが深いので出てこれなくなってしまう。それで貴重な周回時間を失い、最悪セッションが中止になったりする。その可能性を十分考慮しながら、進めていく必要があるでしょうね。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第13戦オランダGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第13戦オランダGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




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