最新記事
- グランプリのうわさ話:オースティン、コース...
- JRPA日本レース写真家協会が2024年モータース...
- ルーキーレース延期の理由のひとつはロジステ...
- ルノーの次世代F1パワーユニット救済を求める...
- 2025年用ピレリF1タイヤのテストにメルセデス...
- F1、巨大複合企業グループ『LVMH』と10年のグ...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】マルコの...
- シーズン後の新『F1ルーキーレース』、2024年...
- F1パワートレイン事情:ハミルトンがアゼルバ...
- 「いじめに遭い、本当につらい時期があった」...
- 苦戦するチームに「特効薬はない」アルピーヌ...
- 松田次生のF1目線:ドライバーに求められるセ...
【F1第8戦無線レビュー(2)】「みんなにおめでとうと言いたい。最高の仕事をしてくれた」初優勝の興奮冷めやらぬガスリー
2020年9月10日
トップチームやトップドライバーたちが次々と脱落していくなか、今年のF1第8戦イタリアGPの主役となってレース終盤を盛り上げたのが、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)とカルロス・サインツJr.(マクラーレン)だった。
レース再開後の34周目のホームストレートで、トップに立ったガスリーの後方で2番手のキミ・ライコネン(アルファロメオ)にサインツJr.が迫る。
マクラーレン:あまり焦るな
サインツJr.:僕はガスリーと勝負したいんだ
マクラーレン:ひとつずつだ
直後の1コーナーでライコネンをオーバーテイクしたサインツJr.は2番手に浮上。トップを走るガスリーとの差は約4秒だ。11周後の45周目にはその差は1秒台となり、いよいよレースは残り3周へ。
サインツJr.:近づくと前車の乱気流がひどい。******
マクラーレン:残り3周だ、カルロス。集中して全力で戦え。絶対にミスをするな
そして、52周目に2人の差は1秒を切る。
マクラーレン:カルロス、いま君は2番手だ。慎重に行こう。絶対にミスをするな
サインツJr.:僕は勝ちたいんだよ、トム(・スタラード/担当レースエンジニア)
しかし、ガスリーもサインツJr.を上回る集中力で必死に防戦。そして、53周で行われた今年のイタリアGPのチェッカーフラッグを最初に受けたのは、ガスリーだった。わずか0.415秒抑えてサインツJr.に競り勝って、F1初優勝を達成したガスリーが最初に発した言葉は「オー・マイ・ゴッド」だった。さらにガスリーは叫びまくった。
ガスリー:ついに僕たちはやったぞ
アルファタウリ:やったぞ!!
ガスリー:レースに勝ったんだ。イェーイ。オー・マイ・ゴッド! 俺たちまたやったよ! オー・マイ・ゴッド、イエス! ウァァァァァ
アルファタウリ:P1だ。ピエール! P1だ
ガスリー:ついにレースに勝ったんだ……!
その後、ウイニングランに入ったガスリーに、レース後に行わなければならないパワーユニットの技術的手順を伝えるが、ガスリーの興奮は収まらない。
アルファタウリ:フェイル84だ。フェイル84
ガスリー:オー・マイ……
アルファタウリ:フェイル82だ。いますぐフェイル82だ。お願いだから、すぐにやってくれ
ガスリー:オー・マイ・ゴッド。みんなにおめでとうと言いたい。チームのすべての人たちにだ。みんな最高の仕事をしてくれた。アルファタウリ、ホンダ、すべてのエンジニアとメカニックたち、そして(アルファタウリのファクトリーがある)ファエンツァの全員にありがとうと言いたい。僕たちはやったんだ。イェーイ
アルファタウリ:ありがとう、ピエール。素晴らしいレースだった
ガスリー:もっと早くミラノに引越しすべきだった
アルファタウリ:OK、もうすぐピットエントリーだ。ピットレーンに入ったら、パルクフェルメで”ナンバー1″のボードにマシンを停車するのを忘れるなよ。そして、停車したら、スイッチをP1にして待っててくれ。その後、こちらから合図したらP0に。そうしたら、表彰台へ行っていいぞ
一方、0.415秒差で初優勝を逃したサインツJr.は、自己最高の2位にも胸中は複雑だった。
マクラーレン:すごいレースだった、カルロス。P2だ! 君は勝ちたかったと思うけど、2位だぞ。素晴らしいリザルトだ。君は週末を通して素晴らしかった。赤旗(で順位を落とした分)をよく挽回した。最高の仕事だった
サインツJr.:ああ。でも、笑っていいのか泣いていいのかわからないよ。あああ……いままでで最も(優勝に)近かったのに……あと1周あれば……
8位でフィニッシュしたエステバン・オコン(ルノー)にとっても悔しいレースだった。レース序盤に自分の後ろを走っていたガスリーが優勝したことで、その不満は爆発。レース後、オコンも悔しい思いをぶちまけた。
ルノー:OK、エステバン。素晴らしい仕事ぶりだった。12番手スタートから8位だから、悪くない結果だ。ダニエルは6位だったから、チームにとっては大量ポイントを獲得できてよかった。よくやった
オコン:了解……いや、やっぱり、違う。僕はそう思わない。今回、僕たちは完全にチャンスを逃した。本当に大きなチャンスだったのに……
ルノー:OK、それでやめておけ。その件についてはミーティングで話そう。もうやめるんだ
オコン:違うよ。僕たちは現実と向き合うべきだっていうことを言いたいんだ
ルノー:お願いだから、無線ではこれ以上話さないでくれ
オコン:何が現実かって。この順位は僕たちがいるべきポジションじゃない
一方、ポイント圏外の12位に終わったロマン・グロージャン(ハース)は、優勝したのが同じフランス人のガスリーということもあって、無線で後輩の勝利を祝福していた。
グロージャン:レースはどうなった?
ハース:ガスリーが優勝。2位がサインツで、3位(ランス)ストロール、4位(ランド)ノリス……
そしてこのレース限りでF1から退くこととなったウイリアムズ家へ、ふたりのドライバーが感謝を述べた。
ジョージ・ラッセル:この機会を借りて、クレアとフランクに伝えたいことがある。これまであなたたちがやってきたことすべてに感謝している。あなたたちがF1を去ることはすごく寂しいけれど、心の底から感謝している
ニコラス・ラティフィ:クレア、最後のレースを終えて、いまあなたはいろんな感情が駆け巡っていると思うけど、僕はあなたに感謝しかない。僕だけでなく、F1もあなたたちがいなくなることを寂しがっていると思う。でも、僕たちはこれからもウイリアムズの名前を背負って、100%全力で戦っていくからね
レース後、クレアはこう語って、サーキットを後にした。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |