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ロバート・クビカ、6年ぶりのF1走行に「複雑な思い」。ルノーはテスト続行を否定
2017年6月8日
ロバート・クビカが、6年ぶりのF1走行は感動的な時間だったと語った。チームも彼自身もこの日のパフォーマンスには満足していると述べているものの、クビカは複雑な心境ものぞかせている。
2010年からルノーに所属していたクビカは、2011年、ロータス・ルノーGPと名称を変えた同チームへの残留が決まり、2月にバレンシアでの新車テストに参加。しかしその数日後、イタリアのラリーに出場してクラッシュ、重傷を負ったことで、F1キャリアの中断を余儀なくされた。
右腕にひどい損傷を受けたクビカだが、2012年にラリーでレース活動を再開、それ以降、WRC2、WRCに参戦、2016年には耐久レースなどでサーキット活動にも復帰した。
今年のWEC参戦計画は中止したものの、今年4月にはGP3マシンをテストドライブ、事故以来初のフォーミュラマシン走行を行った。5月にはフォーミュラEのテストにも参加している。
そして6月6日、スペイン バレンシアでのルノーのテストで、クビカは2012年ロータスE20をドライブした。クビカは、現在のルノーのカラーに塗り替えられたE20で115ラップを周回、さまざまな燃料量での走行を行った。
「このテストを実現してくれたすべての人たちに感謝したい」と走行を終えたクビカは語った。
「皆にとっていい一日になったと思う。2010年当時の昔の僕を見ることができたんじゃないかな」
「僕にとって、感情的な面で、とても大事な一日だった。(F1の)パドックから長年遠ざかり、難しい時期を過ごしてきた。懸命に努力を積み重ねてきたけれど、数年前には無理だと感じていた」
「複雑な気持ちだよ。今日、自分が成し遂げたことを誇りに思う。一方で、自分が何を失ったかもはっきりした」
「今後どうなるのかは分からない。でもひとつ言えるのは、今回のチャンスのために1年以上準備を整えてきた結果、難しいコンディションの下、いいペースで、一貫した走りができたということだ」
「6年間離れていたから簡単ではなかったが、やるべき仕事ができることは分かっていた。満足していいと思う」
「このチャンスをもらえて感謝している。ルノーは2005年に僕にとって初めてのF1テストのチャンスをくれた。今回またテストをさせてもらえて感謝している」
スポーティングディレクターのアラン・パーメインは、久しぶりに一緒に仕事をしたクビカは、性格は少し変わっていたものの、マシンのフィードバックなどは当時のままだったと語った。
「ロバートがF1マシンに戻ってくるのが見られてうれしかった」とパーメイン。
「スムーズな一日だった。一日にグランプリウイークエンドのすべてを詰め込もうとしたんだ。彼にとって興味深い日になったと思う」
「ロバートは少し変わったね。以前より落ち着いた。マシンのセットアップについて細かいことを頼むとき、前ほど強引ではなくなったよ! だが一方で、フィードバックや発言は、昔のままで、過去に戻ったような気分だった」
「6年ぶりにF1カーに乗るというのは、簡単なことではないが、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」
ルノーは現在32歳のクビカに今後もF1テストの機会を提供する可能性があるとの報道もなされているが、パーメインは、いまのところ今回一度きりのテストであると述べている。
「今回はロバートのための1回きりのイベントだった。彼とは素晴らしい将来を迎えることになると考えていたが、(事故によって)彼とルノーとの日々は突然、終わりを迎えた」
「バレンシアのテストでセルゲイ・シロトキンを走らせる予定だったので、ロバートに一日走行時間を提供して彼の復帰に貢献するための、完璧な機会になると考えた」
(AUTOSPORTweb)
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています
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