「オースティンはいい一歩だった」結果重視のレッドブル首脳陣に成長を示したと自信を見せる角田裕毅/F1第20戦木曜会見
2025年10月24日
2025年F1第20戦メキシコシティGPの木曜会見には、前戦アメリカGPで緊張関係の生じた4人のドライバーが出席した。まずは角田裕毅(レッドブル)とリアム・ローソン(レーシングブルズ)。角田はローソンのコース上の動きに対し、何度も文句を言ってきた。
Q:その後、ふたりで話はしましたか? 関係は大丈夫ですか?
角田:「直接はまだ話していないです」
ローソン:「正直、何があったのか、あまり覚えてないんだ(笑)」
角田:「チームには謝りました。囲み取材で不必要なことを言ってしまいましたし。そこは反省しています」
ローソン:「シーズン終盤の今は、本当に激しい時期だからね。毎週末、予選もレースもギリギリの戦い。ほんの小さなことで差が出てしまう」

同じレッドブルグループの一員であり、来季のシートを争う立場にあるふたりには、こんな質問も飛んだ。
Q:「アイザック・ハジャーがレッドブルへ移籍、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズへ昇格」という予測報道も出ています。残る1席を誰にするか、(レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務める)ヘルムート・マルコ博士や(レッドブルの)ローレン・メキース代表ら首脳陣は、特に何を重視していると思いますか?
角田:「一番は結果だと思います。今はチームにとってもコンストラクターズ選手権2位の座がかかる大事な時期です。そしてマックス(・フェルスタッペン)には、5連覇がかかっています。そんな状況で、チームメイトをどうサポートできるか。オースティンはいい一歩だったと思います。とにかく毎戦ポイントを獲ることが何より大事です。僕は後半戦でしっかり成長を示せていると思うし、やるべきことは明確です」
ローソン:「僕はただ、毎回できるだけ速く走るだけ。それがすべてだよ。レッドブルは常に実力主義のプログラムだから、結果を出せば残れる。それだけだね」

またアメリカGPでは、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、レース序盤に接触。サインツはリタイアした上に、5グリッド降格ペナルティを科された。
Q:カルロス、先週の件はもう大丈夫ですか?
サインツ:「え、なんのこと?(笑)。僕はコース上で起きたことは、すべてコース上に置いていく主義なんだ。とはいえあの処分の重さは、事故の実態とはまったく釣り合っていないと思ってるよ。すべてのデータやオンボード映像を見返したうえで、5グリッド降格は理解しがたい。もちろん僕に責任の一端があったことは認めるし、受け入れるけどね」

Q:キミはどうですか?
アントネッリ:「残念な事故だった。ふたりともいいポジションにいて、でも接触で結局レースを終えることになってしまった。僕には僕の見方があって、カルロスにはカルロスの見方がある。でももう終わったことだし、次に進むよ」

ドライバーズ選手権は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が激しい追い上げを見せ、首位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に40ポイント差まで迫っている。そんな状況を、ピアストリ自身はどう感じているのだろう。
Q:フェルスタッペンの猛追は、気になっていますか? あるいは、考えないようにしていますか?
ピアストリ:「気にしていない。確かに最近のマックスは、とても安定していて強い。でもそれを考えたところで、自分にプラスにはならない。僕がこのタイトルを獲るためにやるべきことは、自分自身とチーム、クルマから最大限を引き出すこと。それ以外のことに気を取られても意味がない。彼もライバルのひとりではあるけど、それで自分のアプローチが変わるわけじゃない」
Q:ランド・ノリスとの『パパイヤルール』は、三つ巴のタイトル争いのなかでプレッシャーを増やすことになるのでは?
ピアストリ:「いや、特にないよ。ルールは単純で、『ぶつからないこと』。それだけだ。どんなチームでも同じだろうし、余計なプレッシャーにはならない。
前戦オースティンでのピアストリは、結果が出なかったこともあって、プレッシャーに押しつぶされそうな表情を時に見せていた。しかし少なくともこの会見では、いつもの冷静沈着さが戻っていたようだった。

しかしアントネッリら3人のドライバーは、程度の差こそあれフェルスタッペン有利と見ているようだった。
Q:フェルスタッペンが今季チャンピオンになる可能性は、どれくらいあると思いますか?
アントネッリ:「今の勢いを維持できれば、可能性はあると思う。マシンもよくなっているし、マックス自身も絶好調。失うものがない立場は、一番強い。十分にあり得るんじゃないかな」
サインツ:「同感だね。今の立場だとプレッシャーがないから、思い切って攻められる。マックスはその強みを最大限に使っている。とはいえ今後のレースでは、一度の失敗も許されない。1戦でも取りこぼすと、せっかくの流れが一気に消える。だから最後まで完璧な週末を続ける必要がある」
ニコ・ヒュルケンベルグ:「マックスを侮ることはできない。結局はマクラーレンの仕上がり次第だけど、可能性は十分あるよ」
残り5戦。彼らの予想が当たって、フェルスタッペンが逆転タイトル奪取を決めるだろうか。

(Text : Kunio Shibata)
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| 10/25(土) | フリー走行1回目 | 3:30〜4:30 |
| フリー走行2回目 | 7:00〜8:30 | |
| 10/26(日) | フリー走行3回目 | 2:30〜3:30 |
| 予選 | 6:00〜 | |
| 10/27(月) | 決勝 | 5:00〜 |
| 1位 | オスカー・ピアストリ | 346 |
| 2位 | ランド・ノリス | 332 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 306 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 252 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 192 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 142 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 89 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 678 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 341 |
| 3位 | スクーデリア・フェラーリHP | 334 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 331 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 |
| 8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 59 |
| 9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 48 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


