最新記事
- グランプリのうわさ話:クリスチャン・ホーナ...
- 株主になってモータースポーツを応援?! 経済...
- 徐々に縮まるマクラーレン勢との差。レッドブ...
- 「毎周話しかけたら無線を切る」ピットストッ...
- ルクレールをいら立たせたブレーキのオーバー...
- 鈴鹿サーキット、2026年F1日本GPでの招待企画...
- マクラーレンとパロウ側が法廷で真っ向対立。...
- メルセデス代表、“未開拓市場”韓国でのF1復活...
- キャデラックF1、年内にフェラーリのマシンで...
- シンガポールGP表彰式でシャンパンファイトに...
- 【F1第18戦ベスト5ドライバー】不利を強いら...
- レッドブル、2026年への準備を犠牲にして現行...
小松礼雄コラム第5回:ロシアで露呈してしまったエースの弱点。スペインに向けてのアップグレード
2017年5月12日
ハースF1チームのチーフエンジニアとして今年で2年目を迎える小松礼雄氏。創設2年目の新興チームであるハースはどのようにF1を戦うのか。現場の現役エンジニアが語る、リアルF1と舞台裏──F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラムの第5回目をお届けします。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なす術がなかったグロージャンの低迷……
2台とも入賞圏外で鬼門になったロシアGP
前回のコラムで「ロシアGPが第一のハードルになる」と書きましたが、実際にその通りになってしまいました……。
昨年に比べれば良かったと言えますが、予選からの路面状況の変化を見て計算するとケビン(マグヌッセン)の位置はトロロッソの後ろでしたし、ロマン(グロージャン)は苦手のソチでまったくダメでしたから、ロシアGPはやっぱり僕らにとって鬼門でしたね。
結果的に13位に終わったケビンですが、FP1からFP3にかけてトップのフェラーリとの差は大きかったとはいえ、フォース・インディアやトロロッソに対してはほぼ予想していた位置にいました。問題は、Q1のパフォーマンスです。
ケビンは15位でギリギリ通過しましたが、Q1の2回目のアタックでは1回目のタイムを更新することができず、16位の(ジョリオン)パーマーとはわずか0.054秒差しかありませんでした。Q1からQ2にかけての伸びしろは、0.391秒上げているので合格点を挙げられるのですが、いかんせんQ1のタイムが悪すぎます。ここが現在の彼の一番の課題だと言えます。
レースに関しては好スタートを切り、トロロッソの1台と(エステバン)オコンを抜いたところまでは良かったと思います。ただし、ターン2のブレーキングが甘すぎました。ケビンは確実に1車身以上前にいたのにも関わらず、オコンにブレーキングで抜き返されてしまいましたから。
さらに、ターン2でワイドに膨らんでしまい、指定の場所を通ってコースに戻らなかったため、5秒ペナルティを科されました。無線でそのことを本人に伝えると、「フェアじゃない」と怒っていましたが、それはルールで決められていることなので議論の余地はないのです。レース後には本人もそれを受け入れて謝っていました。
レース序盤は10番手を走っていたケビンですが、ピットインの際に5秒ペナルティを消化した結果、(カルロス)サインツJr.と(ダニール)クビアトに先行されてしまい、さらにトップグループが迫ってきたため、ブルーフラッグで抜かれるたびに2秒くらいタイムロスしていました。
それが尾を引き、(ランス)ストロールがピットストップを26周目まで延ばした結果、彼にも抜かれてしまい、13番手にポジションダウン。1ストップレースなので、その後は何もできずに13位に終わりました。ペナルティさえなければ、10位は守れたと思うので残念な結果でしたね。
一方、チームメイトのロマンは、週末を通してなす術がありませんでした。Q1ではターン13でイエローフラッグに引っかかってしまったのですが、あの時点でケビンから0.4〜0.5秒遅れていたので、結果的に17位が精一杯だったと思います。
彼は低グリップの路面への対応が得意ではないんです。ソチ初開催の2014年のFP1では、もっとグリップが低いアイスみたいな路面状況だったのですが、他のドライバーが8周目くらいでタイムを出しているのに、彼はグリップがない状態ですぐに一発のタイムを出そうとしてミスを犯してなかなかリズムに乗れませんでした。
その結果、次の周回で走りながらタイヤの温度を適切に管理してアタックに備えることになりますが、極端に言えばブランケットを使用していないフォーミュラカーと同じような走行状態になるわけですが。ロマンのドライビングスタイルとは、相容れないものでなかなか難しいです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なす術がなかったグロージャンの低迷……
2台とも入賞圏外で鬼門になったロシアGP
前回のコラムで「ロシアGPが第一のハードルになる」と書きましたが、実際にその通りになってしまいました……。
昨年に比べれば良かったと言えますが、予選からの路面状況の変化を見て計算するとケビン(マグヌッセン)の位置はトロロッソの後ろでしたし、ロマン(グロージャン)は苦手のソチでまったくダメでしたから、ロシアGPはやっぱり僕らにとって鬼門でしたね。
結果的に13位に終わったケビンですが、FP1からFP3にかけてトップのフェラーリとの差は大きかったとはいえ、フォース・インディアやトロロッソに対してはほぼ予想していた位置にいました。問題は、Q1のパフォーマンスです。
ケビンは15位でギリギリ通過しましたが、Q1の2回目のアタックでは1回目のタイムを更新することができず、16位の(ジョリオン)パーマーとはわずか0.054秒差しかありませんでした。Q1からQ2にかけての伸びしろは、0.391秒上げているので合格点を挙げられるのですが、いかんせんQ1のタイムが悪すぎます。ここが現在の彼の一番の課題だと言えます。
レースに関しては好スタートを切り、トロロッソの1台と(エステバン)オコンを抜いたところまでは良かったと思います。ただし、ターン2のブレーキングが甘すぎました。ケビンは確実に1車身以上前にいたのにも関わらず、オコンにブレーキングで抜き返されてしまいましたから。
さらに、ターン2でワイドに膨らんでしまい、指定の場所を通ってコースに戻らなかったため、5秒ペナルティを科されました。無線でそのことを本人に伝えると、「フェアじゃない」と怒っていましたが、それはルールで決められていることなので議論の余地はないのです。レース後には本人もそれを受け入れて謝っていました。
レース序盤は10番手を走っていたケビンですが、ピットインの際に5秒ペナルティを消化した結果、(カルロス)サインツJr.と(ダニール)クビアトに先行されてしまい、さらにトップグループが迫ってきたため、ブルーフラッグで抜かれるたびに2秒くらいタイムロスしていました。
それが尾を引き、(ランス)ストロールがピットストップを26周目まで延ばした結果、彼にも抜かれてしまい、13番手にポジションダウン。1ストップレースなので、その後は何もできずに13位に終わりました。ペナルティさえなければ、10位は守れたと思うので残念な結果でしたね。
一方、チームメイトのロマンは、週末を通してなす術がありませんでした。Q1ではターン13でイエローフラッグに引っかかってしまったのですが、あの時点でケビンから0.4〜0.5秒遅れていたので、結果的に17位が精一杯だったと思います。
彼は低グリップの路面への対応が得意ではないんです。ソチ初開催の2014年のFP1では、もっとグリップが低いアイスみたいな路面状況だったのですが、他のドライバーが8周目くらいでタイムを出しているのに、彼はグリップがない状態ですぐに一発のタイムを出そうとしてミスを犯してなかなかリズムに乗れませんでした。
その結果、次の周回で走りながらタイヤの温度を適切に管理してアタックに備えることになりますが、極端に言えばブランケットを使用していないフォーミュラカーと同じような走行状態になるわけですが。ロマンのドライビングスタイルとは、相容れないものでなかなか難しいです。
…記事の続きは会員登録後閲覧できます。
※こちらの記事は一般&プレミアム会員専用のコンテンツとなります。
一般+プレミアム会員一括登録
※会員登録後、本文記事が表示されない場合、ページの更新をお試しください。
一般+プレミアム会員一括登録
※会員登録後、本文記事が表示されない場合、ページの更新をお試しください。
関連ニュース
10/3(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
10/4(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
10/5(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


※シンガポールGP終了時点
1位 | オスカー・ピアストリ | 336 |
2位 | ランド・ノリス | 314 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 273 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 237 |
5位 | シャルル・ルクレール | 173 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 125 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 88 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 70 |
9位 | アイザック・ハジャー | 39 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |

※シンガポールGP終了時点
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 650 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 325 |
3位 | スクーデリア・フェラーリHP | 298 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 290 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 102 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 68 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 55 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

2025年F1カレンダー
第18戦 | シンガポールGP | 10/5 |
第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |

