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F1 Topic:ホンダPU、振動問題の主因はマクラーレンのギヤボックスか?

2017年3月30日

 ホンダのパワーユニットに対して、ドライバーからの改善要求に、パワー不足、信頼性不足とともに振動がある。これはオーストラリアGPで始まった話ではなく、2月下旬から3月上旬のテストのときから、ドライバーが発せられてきた不満である。 


 当初、この振動はパワーユニット本体によって発生していると考えられていた。というのも、今シーズン、ホンダはこれまでと異なる燃焼室をデザインしていたからだ。この新しい燃焼室はタービュラント・ジェット・イグニッション(TJI)と言われており、その巨大な爆発力によって、振動が増したのではないかと思われていた。


 しかし、長谷川祐介ホンダF1総責任者は「エンジンの性能向上によって振動が増えたという認識はない」と、振動が新しい燃焼室に由来するものではないと語っていた。


 そこで次に考えられた原因が、ターボとコンプレッサーをVバンク角から出した新しいレイアウトではないかというものだった。しかし、これも長谷川総責任者はきっぱりと否定した。


 さらにマッビングの問題も、長谷川総責任者は「テストから相当良くなっている」という。にもかかわらず、オーストラリアGPでは「依然としてドライバーからは『オシレーション(共振)がある』と言われていいます。じつは、さんざん言われているバイブレーション(振動)とは、まさにこのポストシフト・オシレーション(シフトチェンジ直後の共振)のことなんです」


 この振動の正体はエンジン、ギヤボックス、トライブシャフトの駆動系とそれにタイヤの振動も含めた共振によって発生していると考えられる。つまり、PU単体で発生していたものではないのだ。


 さらにポストシフト・オシレーションということは、シフトチェンジ直後に起きていることからも、ギヤボックスの振動が共振の主因になっている可能性が高い。長谷川総責任者も「シフトアップのときが特に大きい」と語っている。


 現在のF1のギヤボックスは、シームレスシフトを使用している。通常の変速プロセスは前段アウトギヤ→ニュートラル→次段インギヤだが、シームレスシフトは次段インギヤ→前段アウトギヤとすることでアップシフト時の伝達トルク損失時間ゼロというシステムで、1ラップあたり0.4秒短縮の効果があるという。これをF1界で初めて導入したのが、じつは2005年のホンダで、BARにエンジンとともに供給していた時代の話である。


 つまり、長谷川総責任者が言う「ポストシフト・オシレーション」というのは、シームレスシフトのシフトアップの「ガツン、ガツン」という振動が、ホンダのPUの振動と共振して発生しているということになる。


 もちろん、共振であるから、ホンダ側のマッピングを調整することでも、振動はいくらかは和らげることは可能だ。しかし、振動の元がシームレス・シフトにあるとしたら、マクラーレンのギヤボックスが改善されない限り、根本的な解決は得られないだろう。


 オーストラリアのパドックでは、シーズン中にマクラーレンがホンダに違約金を払って契約を解消すると囁かれていた。そして、その場合、フェラーリからギヤボックスの供給を受けているザウバーに、マクラーレンが代わってギヤボックスを供給するという。


 この噂が本当だとしたら、ホンダにスイッチするザウバーでも、共振という問題は起きることになる。そのことをザウバーはどれくらい把握しているのだろうか。



(Masahiro Owari)


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