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F1 Topic:バトンが事実上の引退宣言。特別な気持ちで臨むアブダビGPは家族と友人を招待

2016年11月25日

 アブダビGP、開幕前日の木曜日にパドックでもっとも話題を集めたドライバーとなったジェンソン・バトン。理由は、FIAの記者会見で「僕は今週末、これがラストレースだと思って臨む」と語ったからだ。会見でバトンは、現在の心境を次のように語った。 


「これが僕のラストレース。いまは、これ以上、F1でレースしようとは思っていない。8歳からモータースポーツでレースをしてきて、ここまで長い道のりだった。たくさんの夢を持ってF1に来て、何かを成し遂げたいと考えていた。300戦以上のグランプリに出た。ワールドチャンピオンシップを手に入れることもできた。それらのたくさんの良い思い出を持って去ることができるなら幸いだ。でも、これは終わりじゃない。僕の人生はここから始まるんだ」


 9月のイタリアGPで行った会見では「引退ではなく、1年間の休養」を強調していたバトン。それから約2カ月半の間に、バトンにどのような心境の変化があったのだろうか。


 まず、考えられるのは、ロン・デニスの解任である。というのも、今シーズン限りで引退しようとしていたバトンを引き止めるために、「1年間の休養」を提案したのがデニスだったからだ。バトンとデニスは決して仲が良い関係ではないが、14年末にマクラーレンがフェルナンド・アロンソを獲得した後、残る1つのシートをバトンがケビン・マグヌッセンと激しく争ったとき、デニスは子飼いのマグヌッセンではなく、バトンを起用した恩があった。


 しかし、そのデニスがマクラーレン・グループの会長兼CEOを解任されたいまとなっては、もうチームに義理はない。もちろん、チームとの契約を2017年末まで結んでいるため、バトンは引退とは語らなかったが、「2018年にF1のレースに復帰することはないだろう」という言葉は、このアブダビGPがバトンにとって事実上のF1からの引退を意味する。


 しかし、「引退」という二文字を使用しなかったことで、メディアの中には違った見方をする者もいる。あるイギリスの新聞記者はこう話す。


「ジェンソンは『これがラストレースだと思って臨む』と言っただけで、これがラストレースただとは言っていない。もちろん、彼が2018年にF1に復帰する可能性はかなり低いが、ゼロではないと思う」


 ただし、バトンが今週末、家族や多くの知人をアブダビに招待していることも確かである。その知人の中には、BAR時代に広報を務めていたジュール・ゴウの姿もあった。


 しかも、単に招待しているだけでなく、家族や知人たち一緒にサーキットを後にしていることから、週末は一緒に行動しているものと考えられ、バトンがこの一戦に賭ける気持ちがいつも違うのは想像に難しくない。



この写真の左側はバトンの実母であるシモーンさん。そのシモーンさんに新聞をパネルしてプレゼントしているのは「The Times」の記者、ケビン・イーソン。これは引退を予期して準備したのではなく、イーソンにとってこのアブダビGPが記者生活最後のF1となったために、感謝を込めて母親にプレゼントしたという。
この写真の左側はバトンの実母であるシモーンさん。そのシモーンさんに新聞をパネルしてプレゼントしているのは「The Times」の記者、ケビン・イーソン。これは引退を予期して準備したのではなく、イーソンにとってこのアブダビGPが記者生活最後のF1となったために、感謝を込めて母親にプレゼントしたという。
 バトンはかつてウイリアムズと契約しながらBARにとどまったことがあったり、婚約していた彼女と別れたり、心変わりした前科が何度かある。今回の引退宣言は果たして……。 



(Text : Masahiro Owari)


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