読者のみなさん、新年ゆっくりとお過ごしだろうか。『F1速報』webの人気連載トム・ハンター氏(仮名)「パドック裏話」の番外編となる、恒例の覆面座談会。今年は正月早々からお届けする。座談会の出席者は、おなじみの3名。ハンター氏は当然のように欠席で、発言者の身元を明かすことはできないのだが、最小限のプロフィールを紹介するので勘弁してほしい。今回は2015年のF1を振り返りつつ、それぞれの独断で2016年を占ってみようという趣向だ。
A氏:美食と美女には一家言ありの情報通ジェットセッター
B氏:どんなことも裏を読んでしまう、悪気のない毒舌家
C氏:見た目はラテン系、パドック滞在時間ナンバー1を誇る
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──みなさん新年早々お集まりいただき、どうもありがとうございます。日本では、お正月の番組は年末に収録することが多いんですけど……この座談会が、いつ行われているかについては謎のまま、始めさせていただきます。
A氏:さーて、最初のお題は何かな?
──結局のところメルセデスが強かった2015年を終えて、2016年はどんな変化がありそうでしょうか。
B氏:そんなマジメな話? ずばりメルセデスと他チームの差は縮まる、と言っておこうか。
A氏:でも、よくよく考えてみると2015年、マレーシアは別としても、あとメルセデスが負けたのはハンガリーとシンガポール。どっちも低速コースで、中高速コースではメルセデスの圧勝。やっぱりパワーユニットの差は大きいんだよ。
C氏:メルセデス以外で勝ったのは、2014年がレッドブルで、2015年はフェラーリ。どっちも3勝ずつで、ここ2シーズンは劇的な変化がなかった。
B氏:フェラーリのパワーユニットは、かなり良くなってるでしょ。ザウバーを見れば、わかる。
A氏:だって、フェラーリはパワーユニットを優先して開発してきたから。それでもメルセデスとの差が、あれだけあったということは……。