2023年シーズンまでハースF1のチーム代表を務めたギュンター・シュタイナー

【】ギュンター・シュタイナー、元所属チームのハースF1に対し法的手続きを開始。肖像の無断使用、ボーナス未払いなどを主張

5月2日

 ギュンター・シュタイナーは2023年末にハースF1チームを離れたが、その突然の離脱は友好的なものではなかった。チームが正式に拠点を置くアメリカのノースカロライナ州で、シュタイナーは法的手続きを開始しており、裁判に発展するようだ。

 シュタイナーは、弁護団が提出した最初の文書のなかで、彼が去った後もチームが許可なく彼のイメージを使用していると主張している。また、彼が自身の契約における最後の3年間にチームのために行った取引の手数料が発生しているほか、それに該当する期間である2021年初頭から2023年末まで、前シーズンの結果に対して支払われるべき年間ボーナスを一切受け取っていないと述べている。

 アメリカの情報筋によると、シュタイナーの弁護団はノースカロライナ州シャーロットで手続きを開始しているという。裁判官がこの件を法廷に持ち込むかどうかを決定する前に、ハースF1の弁護団は彼らの申し立てを行わなければならない。

 チームオーナーのジーン・ハースとシュタイナーの関係が数年前からすでに緊張状態にあったことは明らかであり、訴訟において「シュタイナー氏の評判、経験、スポーツにおける深いコネクションの恩恵を何年も受けてきたハースF1は、シュタイナー氏が獲得した利益を保留することはできない」との主張がなされている。この主張は、シュタイナーの率直な物言いがNetflixのドキュメンタリー『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』で放送されてすぐにヒットし、彼の人気がそれ以来一気に高まったという事実に直接触れるものだ。

ギュンター・シュタイナー&ジーン・ハース
2022年F1バルセロナテスト ギュンター・シュタイナー代表&ジーン・ハース

 彼の弁護団は「ハースは彼の肖像が描かれたグッズを販売している」、「両者の関係解消後、その販売行為は彼の許可を得ずに行われており、ロイヤリティは彼に支払われていない」と主張。さらに、「ハースF1は、雇用契約終了後のシュタイナー氏の氏名、イメージおよび肖像を使用する権利、また、いかなる形態のメディアにおいてもそれらを利用する権利を有していない。ハースF1は、シュタイナー氏の氏名、イメージおよび肖像の無断使用について補償を行っていない」と述べている。

 こうしたことは完全にレースとは関係のない問題であり、レースチームは事実上イギリスのバンベリーに拠点を置いていることから、この最近の展開が、小松礼雄代表が今年の初めから指揮している作業に何らかの影響を与える可能性は低い。しかし、今週末のグランプリはマイアミで開催されること、またアメリカのメディアは法的な問題を好むことから、ニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンがどのようなパフォーマンスを見せようが、チームはこの一件についていくつか質問に答えなければならないかもしれない。

ケビン・マグヌッセン(ハース)
2024年F1第3戦オーストラリアGP 元チーム代表ギュンター・シュタイナーからインタビューを受けるケビン・マグヌッセン(ハース)



(Grandprix.com)