【】レッドブル&HRC密着:着々とライバルを攻略し2位の座を取り戻したペレス。代表は「最高のシーズンスタート」と評価
4月8日
F1第4戦日本GPの土曜日の予選で「完璧ではなかった」というアタックで、ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、日曜日のレースで完璧な仕事をした。
この日の鈴鹿は3日間で最も暑いコンディションとなった。そのため、タイヤのデグラデーション(劣化)が土曜日まで以上に大きくなっていた。それはポールポジションからスタートしたフェルスタッペンも例外ではなかった。
8周目、マシンの状態を尋ねられたフェルスタッペンは無線でこう返した。
「アンダーステアだったけど、少しずつオーバーステアになってきた」
するとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼが冷静にこう語った。
「我々が想像していた通りだから、大丈夫だ」
その後、チームはピットストップごとにフロントウイングのフラップの角度を調整し、マシンのバランス変化に対応。タイヤのデグラデーションに苦しみ出したライバル勢とのギャップを徐々に広げていった。
この日、素晴らしい走りを鈴鹿で披露していたのはフェルスタッペンだけではない。チームメイトのセルジオ・ペレスもフェルスタッペンに負けないレースを展開していた。
鈴鹿で自身最高位となる2番手からスタートしたペレスだったが、レース序盤はタイヤのデグラデーションに苦しみ、事実上、最初のピットストップでランド・ノリス(マクラーレン)にアンダーカットを許していた。しかし、ここからがこの日のペレスの真骨頂だった。
第2スティントではアンダーカットされたノリスだけでなく、異なるタイヤ戦略でステイアウトしていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)もペレスの前に立ちはだかった。それでも、ペレスは慌てることなく、1台1台、ライバルたちを攻略していった。
「苦しい状況のなかでも、ベストなパフォーマンスを出せるようレース中に対応できるようになったことが、今回のレースで最大の収穫だった」と振り返るペレス。その成長をクリスチャン・ホーナー代表も認める。
「チェコは今シーズン末で契約が切れることを知っているが、いまは目の前の仕事にとても集中していて、それがチームとの一体感を作っている。過去4年間と比べても最高の形でシーズンをスタートさせていると思う。この調子をキープしてほしい」
予選でフロントロウを独占し、決勝レースで1-2フィニッシュ。さらにファステストラップとファステストピットストップも記録。2024年の日本GPは、レッドブル・ホンダRBPTが完全制覇したグランプリとなった。
(Masahiro Owari)
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