【】レッドブル&HRC密着:接戦予想のサウジアラビア。初日のクルマは良好も「もっと何かが必要」と昨年の勝者ペレス
3月8日
F1第1戦バーレーンGPのレース後に、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のレースエンジニアを務めているジャンピエロ・ランビアーゼが語っていたことはお世辞ではなかった。
「今日のレース結果におけるライバル勢との差は、我々が予測していたよりも大きかった。次は違うレース展開になるだろう」
バーレーンGPが開催されるバーレーン・インターナショナル・サーキットはストップ&ゴー型の典型的なリヤリミテッド(リヤタイヤに厳しい)なコース。そのため、レースではいかにリヤタイヤを労ることができるセットアップにするかが重要で、レッドブルのマシンは昨年からその分野ではライバルたちを圧倒していた。
今年も終わってみれば、レッドブルが昨年に続いてワン・ツーフィニッシュを飾ったが、3位との差は38秒から25秒に縮められている。
そして、今週行われる第2戦サウジアラビアGPの舞台となるジェッダ・コーニッシュ・サーキットは全開率が74%。その理由はシケイン状になっている1コーナーとコースの両端にある低速コーナー以外は、リヤの安定性よりもフロントが安定してターンインできることが重要となるからだ。
もちろん、レッドブルは昨年のサウジアラビアGPでワン・ツーフィニッシュを飾っているように、決してジェッダ・コーニッシュ・サーキットを不得意としているわけではない。
逆にバーレーンGPを不得意としていたライバル勢にとっては、サウジアラビアGPは自分たちの短所をもみ消してくれるため、レッドブルとの差は相対的に縮まっている。
初日、タイミングシートのトップに名前を刻んだのはフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)だった。ただし、フェルスタッペンも前戦バーレーンGPでは初日6番手で、そこから盛り返して掴んだ優勝だった。今回のサウジアラビアGPの初日のフェルスタッペンは3番手。大きな心配はない。
「今日のフリー走行は全体的によかった。ロングランでもショートランでもペースはよかったけど、今週は厳しい戦いになるだろう」
サウジアラビアGP初日はトップから14台が1秒差以内にひしめく大接戦。昨年のサウジアラビアGP勝者のセルジオ・ペレス(レッドブル)は言う。
「クルマの状態はいい。でも、勝つためには明日に向けて、もっと何かが必要なことは確か。もちろん、クルマを速くするための方向性は悪くないから、あとはほんの少し微調整するだけ」
開幕2連勝へ向けて、視界は良好だ。
(Masahiro Owari)
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