【】【角田裕毅F1第9戦密着】計画通りの2ストップでトップ10圏内へ。入賞に向けてロスを挽回しようとした矢先にクラッシュ
6月20日
「端的に言って、今日のレースは我々にとってとても残念な結果となってしまった。パワーユニット交換で最後尾からスタートしたユウキは、レース前半は力強いスティントを展開し、タイヤをうまくマネージメントしていた。ポイント獲得も狙える位置につけていたが、残念ながら2回目のピットストップ後、ピット出口でコースオフしてしまい、その場でレースを終えてしまった」
これはF1第9戦カナダGPレース後のジョディ・エギントン(テクニカルディレクター)のコメントだ。
エギントンが言うように、日曜日の角田裕毅(アルファタウリ)は素晴らしいレースを展開していた。チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズによれば、レース前から2ストップで行くことにしていたという。
「土曜日に雨が降ったせいで、路面がクリーンになったため、タイヤのデグラデーション(性能劣化)が大きいレースになることが予想されていた」(エドルズ)からだった。
スタートでミディアムタイヤを選択したのは、「グリップが高いので、スタート直後に少しでも抜きたかったから」(エドルズ)で、角田はニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)を1周目に抜いている。9周目のバーチャルセーフティカー(VSC)時の1回目のピットインも想定内だったという。
44周目にトップ10圏内までポジションを挽回していた角田だが、もともと2ストップを予定しており、タイヤも限界に来ていたため、47周目に2度目のピットイン。残り23周でピットストップロス分を挽回しなければ入賞できない角田は、ピットロードの出口で「プッシュしすぎてしまった」と2コーナーのブレーキングで止まりきれず、そのままバリアへクラッシュ。
エドルズによれば、「あれがなければ、10位入賞した(ランス・)ストロール(アストンマーティン)といい勝負になっていただろう」と言う。ストロールが17番手からスタートしていたことを考えれば、20番手スタートで10位争いをしようとしていた角田のそこまでの走りは素晴らしかった。それだけに、ピットロード出口でのミスの代償は大きすぎたと言ってもいいだろう。
(Masahiro Owari)
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