レッドブルとアルファタウリのスタッフが記念撮影

【】レッドブル・ホンダ密着:パドックのポスターが緊張感を高めた日曜。アルファタウリのクルーもフェルスタッペンの戴冠を祝福

12月13日

 2021年F1第22戦アブダビGP決勝当日の午前11時45分、パドックの裏、ヤス・マリーナを望むベンチの前に、ホンダのスタッフたちが集合した。毎年、シーズン最終戦でホンダはスタッフ全員の集合写真を撮影していた。その撮影会も今年が最後。笑顔のなかにも、どこか寂しさを感じながら、時は刻々と流れていった。

レッドブル・ホンダ密着
最終戦恒例のホンダスタッフ集合写真

 日曜日になって、パドックのあちこちに同じポスターが貼られていた。それはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)、クリスチャン・ホーナー代表とトト・ウォルフ代表の4人の写真がコラージュされたデザインとなっていた。その中央には『マックス対ルイス』と書かれ、ドライバーズチャンピオン・トロフィーが写っていた。サーキットは徐々に緊張感が高まっていく。

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ヤス・マリーナ・サーキットのパドックに貼られている『マックス対ルイス』のポスター

 夕方4時20分、グリッドに着くためにピットレーンがオープンになる。ポールポジションを獲得したフェルスタッペンだが、残り10分を切ってもなかなかコクピットに収まろうとしない。この時点でハミルトンはマシンに乗り込んでいた。

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なかなかマシンに乗り込もうとしなかったフェルスタッペン

 残り7分、ようやくフェルスタッペンが乗り込むと、ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が近づき、握手。いよいよ、スタートの時を迎える。

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マシンに乗り込んだフェルスタッペンとマルコが握手

 しかし、スタートでフェルスタッペンは出遅れ、すぐに抜き返そうとしたが、オーバーテイクは成功せず、2番手のまま周回を重ねていく。ハミルトンとの差がなかなか縮まらないまま迎えた53周目、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュ。セーフティーカー走行中にピットインしてソフトタイヤに履き替えたフェルスタッペンが、残り1周で切られた再スタート直後の5コーナーでハミルトンをオーバーテイクし、そのままフィニッシュ。劇的な幕切れで2021年のドライバーズチャンピオンがフェルスタッペンに決定した。

 表彰式後、ホンダのスタッフは事前に用意していたマックス・フェルスタッペン、2021年チャンピオンとプリントされたTシャツを着て、祝った。

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アブダビGP表彰式後、記念Tシャツを着用してフェルスタッペンのチャンピオンを祝った

 その後、ピットレーンにレッドブルとアルファタウリのスタッフが集結し、記念撮影。撮影後は、あちこちでホンダのスタッフが抱き合ったり、拳を上げてラストイヤーにチャンピオンになったことを喜んでいた。

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レッドブルとアルファタウリのスタッフが記念撮影

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フェルスタッペンのタイトル獲得を喜ぶホンダスタッフ

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フェルスタッペンのタイトル獲得を喜ぶ山本MDらホンダスタッフ

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フェルスタッペンのタイトル獲得を喜ぶレッドブルのクルー

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アルファタウリのスタッフもタイトル獲得を喜んだ

 だが、レース後にメルセデスがセーフティーカー後の再スタートに進め方に関して抗議したため、レッドブル側は静けさを保っていた。

 午後11時3分、スチュワードがメルセデスの抗議をすべて却下。するとレッドブル・ホンダのスタッフがスタート・フィニッシュラインに集結し、優勝を祝う。

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フェルスタッペン&山本MD

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記念撮影をするフェルスタッペンや父ヨスら

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ヘルムート・マルコ&山本MD

 ただし、メルセデスにはアブダビGPのスチュワードの裁定に関して国際控訴裁判所に控訴する権利がある。そのため、メルセデスのスタッフはみな沈黙を保ったまま、サーキットを後にしていた。そのなかでハミルトンのレースエンジニアを務める”ボノ”ことピーター・ボニントンだけが、こちらにサムアップしていた。ボニントンは第3期のホンダ時代にホンダのスタッフと共に仕事をした経験がある。レッドブルのチャンピオンには異議はあるが、ホンダが勝利でラストレースを飾ったことを祝っていたのかもしれない。

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サーキットを後にするハミルトン担当エンジニアのピーター・ボニントン。通称ボノ

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ボノがサムアップしてくれた



(Masahiro Owari)